【変わったWeb Of Scienceの使い方】100年前の被引用件数トップ論文を調べてみた

【変わったWeb Of Scienceの使い方】100年前の被引用件数トップ論文を調べてみた

こんにちは!こんにちは!

モチベーション

とある動画で

研究トレンドを調べるならWeb of Science、なんたって100年以上前の論文データも収録されているからね!

とお話したわけですが、
100年前の論文で、後世に影響を与えたものはなんだろう?
気になったので調べてみました。

ざっくり言うと

  1. 研究の源流っぽい文献がちらほら
  2. 100年も前なのに(だから)論文がオープンアクセスでは読めない
  3. 歴史的研究者をリスペクトする気持ち(*´ェ`*)
  4. BUT論文が読めなくてガッカリ(´・ω・`)

参考動画

やりかた

1914 出版年で検索!

検索を「出版年」にして、100年前の年号を入力しました。

 

 

27,776件の検索結果

 

結果

結果のグラフはこのようになりました

検索結果は27,776件

被引用件数でソートしてみました。

 

上位10個をグラフにしたら↓のようになりました。

ranking1914

それではこれから1本ずつ、タイトルをみていこうと思います。

注意!
中身は読めていません!

第1位は 被引用件数 1054 、タイトル: Acculental deviations of density and opalescence at the critical point of a simple substance

著者: Ornstein, LS; Zernike, F
掲載誌 PROCEEDINGS OF THE KONINKLIJKE AKADEMIE VAN WETENSCHAPPEN TE AMSTERDAM 、巻: 17 、ページ: 793 〜 806 、発行 1914 1914

レナード・オーンスタインによる、何かの論文。

まじで内容がわからん。。。

辞書を引いてもAcculental deviationが出てこなくて、解説を書こうと思ったのに困った。
こりゃあ苦労しそうだぞ。。。

第2位は 被引用件数 836 、タイトル: On physically similar systems, illustrations of the use of dimensional equations

著者: Buckingham, E
掲載誌 PHYSICAL REVIEW 、巻: 4 、号: 4 、ページ: 345 〜 376 、発行 Oct.14 1914

きっと物理の論文だね!と安心できるタイトル。
会員ならばPDFダウンロードも可能の模様です
http://journals.aps.org/pr/abstract/10.1103/PhysRev.4.345#abstract

フリーではアブストすら読めないので詳細はわからなかったが、次元方程式を使うことが新しかったのだろうか。

第3位は 被引用件数 800 、タイトル: The after-effect in dielectrics

著者: Wagner, K.W.
掲載誌 Archiv fur Elektrotechnik 、巻: 2 、ページ: 371 〜 387 、発行 1914 1914

誘導体へのアフターエフェクト。。

今の論文より、タイトルがざっくりしてる気がする。

第4位は 被引用件数 742 、タイトル: The action of certain esters and ethers of choline, and their relation to muscarine

著者: Dale, HH
掲載誌 JOURNAL OF PHARMACOLOGY AND EXPERIMENTAL THERAPEUTICS 、巻: 6 、号: 2 、ページ: 147 〜 190 、発行 Nov.14 1914

きのこ毒の1種、ムスカリンについての論文です。
Wikipediaによれば、ベニテングタケから1869年に初めて採取されたそうですから、まだホットな物質だったのでしょうか。

第5位は 被引用件数 565 、タイトル: On the determination of creatinine and creatine in urine.

著者: Folin, O
掲載誌 JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY 、巻: 17 、号: 4 、ページ: 469 〜 473 、発行 May.14 1914

尿中のクレアチンとクレアチニンの同定、という分析化学の論文です。

腎機能をみるうえで、尿中のクレアチン濃度って今でも大事だと思うのですが

それの根っこの成果となる論文だったのでしょうか。

 

第6位は 被引用件数 530 、タイトル: Internal hydrocephalus – An experimental, clinical and pathological study

著者: Dandy, WE; Blackfan, KD
掲載誌 AMERICAN JOURNAL OF DISEASES OF CHILDREN 、巻: 8 、号: 6 、ページ: 406 〜 482 、発行 Dec.14 1914

5位に続いてこちらも医療系ですね。
内水頭症という病気についての調査論文のようです。

 

第7位は 被引用件数 425 、タイトル: The theory of X-ray reflexion.

著者: Darwin, C. G.
掲載誌 PHILOSOPHICAL MAGAZINE 、巻: 27 、号: 157-62 、ページ: 315 〜 333 、発行 JAN-JUN 1914 1914

7位は、X線反射、という現象について。。
ダーウィンって書いてあるから、「えっ、進化論」て思ったんですけど全然違いました。

 

第8位は 被引用件数 415 、タイトル: The theory of X-ray reflexion. Part II.

著者: Darwin, C. G.
掲載誌 PHILOSOPHICAL MAGAZINE 、巻: 27 、号: 157-62 、ページ: 675 〜 690 、発行 JAN-JUN 1914 1914

 

8位は、7位の論文のパート2。

被引用件数が10件しか違わない。

 

第9位は 被引用件数 407 、タイトル: The regulation of the heart beat

著者: Patterson, SW; Piper, H; Starling, EH
掲載誌 JOURNAL OF PHYSIOLOGY-LONDON 、巻: 48 、号: 6 、ページ: 465 〜 513 、発行 Oct.14 1914

9位は「心拍の制御について」というとてもビッグなテーマのように見える論文です。

2014年に同じタイトルで書こうとしたら、どういう内容になったのでしょうか?!?!

 

 

第10位は 被引用件数 383 、タイトル: The nature of fibrillary contraction of the heart. – Its relation to tissue mass and form

著者: Garrey, WE
掲載誌 AMERICAN JOURNAL OF PHYSIOLOGY 、巻: 33 、号: 3 、ページ: 397 〜 414 、発行 Mar.14 1914

これ、9位と似てますね。「心臓の線維性収縮」について、ということで拍動についての研究と関連してそうです。

いずれにせよ、心臓の基本的な働きの解明ということで

後世に残るいい仕事だったのだろうなー。

 

最後に

100年前の論文が「影響を与えている」ということは確かめられました。

だが、どういう書きぶりだったのか、などは今回見た範囲では確かめられませんでした。

 

というわけでIMRAD形式IntroMethodResultDiscussion)に則りつつ、このエントリを締めたいと思います。

おつかれさま!解散!