未来の研究者を育てたいならやるべきことはこれかもしれない
弊社リバネスは研究者で運営される株式会社です。人材募集も基本的には研究者のみになっていて、色々なタイミングで求職者やインターンシップ希望者に出会います。
リバネスは、理科離れを何とかするぞ!という掛け声のもとに創業した会社です。今では色々な事をやっていますが、教育事業にそれなりのリソースを注ぎ続けていると言っていいでしょう。
昨日は、ビジョナリーカフェと言って、役員とランチタイムにコミュニケーションを取れるイベントの日だったのですが、今回は次世代教育をやりたいという人が多かったんですよね。実験教室の印象が強く伝わった事が原因なのかどうかは分かりませんが、今も昔も教育事業の側面をPRした自己紹介のパターンは結構見ています。
サイエンス・カフェや実験教室といった活動もキーワードとしては一般化した事もあり、そういう場を活用して、子供たちを直接育成していきたいというのは分かりやすいのですが、今回は面白いデータを見つけたので問題提起です。
クラレのアンケート結果を見てみましょう。
小学6年生の「将来就きたい職業」、親の「将来就かせたい職業」
これは2015年発表の小学校卒業生に聞いたランキングです。
研究者という職業が、男の子が「将来就きたい職業」の2位、女の子が「将来就きたい職業」の7位に入っている事がわかります。
ちなみに、このアンケートは2009年に小学校に入学した子供とその親が対象となっており、6年前の継続調査です。ではその6年前のアンケートを見てみましょう。小学校1年生当時の子供たちは何になりたかったのでしょうか。
2009年版 新小学1年生の「将来、就きたい職業」、親の「就かせたい職業」
こちらが男の子が就きたい職業(左)と親が就かせたい職業(右)
次が女の子の場合
小学校一年生の頭のなかには研究者という選択肢はありません。恐らく職業としての研究者像というものが頭のなかにイメージ出来ないからなのではないかと思います。
一方で男の子の親について見てみると、8位に科学者・教授という選択肢が入っています。女の子については出てきませんでした。
親御さんの意向は意外と大きい
男の子の親が将来就かせたい職業の変化。8位から3位に上昇。
こちらは女の子の親が就かせたいと思っている職業ランキング
研究者が7位に出てきます。
2009年から2015年の間で言うと、多くの先生がノーベル賞を取っている事も貢献しているかもしれません。
- 2010年ノーベル化学賞 鈴木章先生・根岸英一先生:クロスカップリングの開発
- 2012年ノーベル生理学・医学賞 山中伸弥先生:様々な細胞に成長できる能力を持つiPS細胞の作製
- 2014年ノーベル物理学賞 赤崎勇名先生・天野浩先生・中村修二先生
このアンケートのみから判断という訳にはいかないと思いますが、親御さんの影響は多少なりともあると考えても良さそうな気がします。もちろん本人の興味関心というものもあるとは思いますが、一年生の頭のなかには無いことを卒業時にイメージさせるのは誰なのかという事についても考える必要があるかもしれませんね。
以下は付録