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KIMOTSUKI SPACE CAMP 開催報告ー中高生による人工衛星開発への一歩

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2017年3月25−27日に鹿児島県肝付町にて、全国から中高生22名が集まり人工衛星開発を目指した企画キャンプ「KIMOTSUKI SPACE CAMP」を開催しました。熱い3日間の様子を報告します。

1日目 大西宇宙飛行士・人工衛星開発の現状をインプット

集合は鹿児島空港。九州メンバーは鹿児島中央駅から空港に移動。イプシロンロケットの絵柄のバスに乗り込み、肝付町へ。肝付町は、東京大学の糸川英夫博士が日本をくまなく探して、ロケットの射場として決めて以来、町民のみなさんも宇宙と射場を愛して協力を惜しまない「世界で一番宇宙に近い町」です。日本にあるロケットの発射場2つのうち、種子島ではなくもう1つの場所で、「はやぶさ」や「イプシロンロケット」の打ち上げの場所でもあります。

 

参加者のメンバーにそんな肝付町の紹介をしながら、今回の宿泊場所であるコスモピア内之浦でに移動。そこでは、宇宙の専門の勉強ができる楠隼中学校・高等学校から参加する生徒も集まり全員集合。

この日は、なんとJAXA主催の「大西宇宙飛行士のミッション報告会」が行われる日で、一般の参加者と混じって参加。さすが宇宙好きのメンバー、積極的に質問もしていました。終了後には特別に大西宇宙飛行士からメッセージをいただき記念撮影。

本物の宇宙飛行士の方との直接のエールに興奮がおさまらぬまま、プロジェクトがスタート。今回のミッションは「中高生人工衛星開発リアルに実現するための企画書を作成する。」ことです。それぞれのメンバーがどんな思いで参加しているかをシェアしたうえで、チームを発表。

人工衛星でどのようなことができるかをまずは、ひたすらアイデア出し。

夕食で親睦を深めた後は、「人工衛星技術について」「人工衛星の開発プロセスとコストについて」「肝付町の課題」の3テーマに別れてインプットし、それらを統合して計画をたてました。リアルに実現させたいと思いと、誰もやっていないすごいことをやりたいという思いのバランスがむずかしく、メンバー内でぶつかることも結構あり、混乱がすでに生じ、夜に突入・・・

 

2日目 イプシロンが打ち上がった真下で自分のロケットを打ち上げ、人工衛星の専門家たちと議論しながら企画書の作成

2日は、日本の宇宙開発の原点でもある「JAXA内之浦宇宙空間観測所」に行き、施設の見学とモデルロケット4級ライセンス講習会(日本モデルロケット協会公認)を実施しました。

株式会社うちゅうの坪井さんが講師となり、宇宙工学の基礎を学び、自分の手でモデルロケット制作を行いました。ニュートンの法則や、宇宙速度について、構造と重心についてなど理解し、ロケットを作りました。今回、宇宙飛行士が必ず携帯するビクトリノックス社のマルチツールを参加者に名前を刻印した上でプレゼント。かれらはその貴重なツールを使いながら、ロケットを完成させました。

打ち上げは、あのイプシロンが打ち上がったM台地の射場。その目の前で、内之浦宇宙空間観測所の峯杉所長も見守る中、全員がロケットを打ち上げました。

なお、見学の時にイプシロンロケットの噴射する炎を受けてできた、石のようなものを通称「イプシロン焼き」というらしく、射場の訪問記念に持ち帰りました。



午後からは、日本大学理工学部で、超小型人工衛星を実際に打ち上げられた経験もある山崎雅彦先生(宮崎山崎研究室)にお越しいただき、前日から考えた人工衛星のミッションプランを発表。その企画が、町やなんらかの課題を解決しているか、パッションがあるか、面白い内容か、実現可能性があるかなどをシビアに議論し、再考を迫られるチームも。宇宙開発への一歩はなかなか甘くはありません。

コスモピア内之浦の宿にもどり、夕食を食べて一休みした後は、翌日の町長へのプレゼンテーションに向けて発表準備。スマホをみんなでいじっているチームがいて、何をしているかと思えば、keynoteのリモート機能をつかい、スマホでみんなでデータをシェアしながらスライドをつくったりしていました。また、オープニングムービーを作るなど、ICTをうまく活用していました。超小型人工衛星のモックアップモデルももってきていたので、その中にどのようなミッションを入れられるかなど、具体的な計画を考え、企画書に落とし込んでいきました。とにかく時間がない中で、絞り出して形にするところまで夜な夜な戦い続けました!

 

3日目 プレゼンテーションと次への一歩

いよいよ最終発表会の日がやってきました。

4チームがそれぞれの思いを肝付町の永野町長、JAXA内之浦宇宙空間観測所の峯杉所長、日本大学理工学部の山崎先生の3名の審査員を前に、プレゼンテーションを実施。

A A班(チーム名:YDK) プロジェクト名:肝付アラス化プロジェクト
B B班(チーム名:KSS) プロジェクト名:Welcome☆
C C班(チーム名:Y研) プロジェクト名:中高生が「夢」を拡げる人工衛星  
D D班(チーム名:極) プロジェクト名:K・K・K  

※詳細は「ウチノウラキモツキ共和国」のWebにスライドが紹介されていますのでごらんください。

審査員による、厳選なる議論の結果、最優秀賞の「肝付賞」はAチームの「肝付アラスカ化プロジェクト」に決定。町の課題を明確にして、超小型衛星をつかってオーロラのようなものを作り出す技術開発と観光振興を実現する発表でした。その後修了式を行い、鹿児島空港で解散。

参加した生徒に仲間にお薦めしたい理由を聞いてみたところ以下のような回答をえました。非常に刺激的だったようです。

    • 丸一年経った高校生活に劣らぬ充実感を得たから。
    • 普通では体験できないことが体験できるから。県外のこともよく知れるから。自分の周りでは出ないような意見が沢山出るから。
    • 全く別の考え方を持った人と出会えるから
    • 参加している人との差を感じたから。
    • 実際に体験することが大切だと考えているから。また、今回様々な人(仲間やTA)と議論したりしたり、モデルロケットをつくったことがとても楽しかったから。
    • 人工衛星を中心にそれを取りまくものまで自分たちを中心に議論できるし、様々なプログラムがあって、仲間との交流や、プログラム内容さらにはTAとの会話などをとおして自分が成長できるさらに今まで自分になかった考え方をする人と出会えるから。
    • もっと学びたい。また、今回は自分のことも知ることができたから、次このようなプログラムに参加するときはその反省を活かしたい。
    • リアルに宇宙開発ができるから
    • 楽しいから。宇宙開発について幅く知ることが出来るから。色んな人に出会えるから。
    • 本気で宇宙開発できるし、無理して成長できるから。

ここからがスタートなので、これからチームでSNSなどを活用して、企画書を形にして営業に走って行こうと考えています。2019年の打ち上げを目指せ! このプロジェクトに協力いただける企業、個人、団体の皆さんはぜひお声がけください。一緒に日本が中高生でも人工衛星打ち上げを実現できるという新たな歴史の1ページを作りましょう!

3日間のメモリアルムービー

楽曲『アンタレス』は宇宙飛行士を目指されている黒田有彩さんのご好意でご協力いただきました。

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広島生まれ、流山育ち、横浜市都筑区在住。千葉県立東葛飾高校時代には、生徒会長・議長・合唱祭委員長・理科部無線班班長などいろいろ挑戦。科学が大好きで、小さい頃か科学実験や電子工作をしていました。ボーイスカウト富士賞、アマチュア無線2級。大学時代は東工大ScienceTechnoという科学イベントサークルを立ち上げ全国でイベントを実施。日本科学未来館ボランティア1期生で、様々な立ち上げを行う。東京工業大学ではナノマシンでもあるウイルスの構造の研究で修士号取得。現在は株式会社リバネスで教育開発事業を手がける。 国際宇宙ステーションに植物の種をうちあげて、子供達に調査してもらう宇宙教育プロジェクト、等身大のロボットバトルである日テレロボットバトル日本一決定戦、吉本興業とのおもろふしぎラボ、小学生の本格ロボット教室、TEPIA先端技術館などの企画を手がけています。 日本科学未来館のボランティアの立ち上げに関わった関係で、全国ミュージアムの方の知り合いが多い。

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