〔リバネスセンシズ〕生命科学と農業の融合で、ひとと地球の幸せを目指すひと(後編)
リバネスセンシズでは、リバネスメンバーのインタビューを通して、そのパッションを紐解き、実現しようとする個々の未来像をお伝えします。
塚田 周平(つかだ しゅうへい)
博士(農学)
専門分野:土壌微生物
(聴き手:佐野 卓郎)
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佐野:入社してからはどんな活動をしましたか?
塚田:インターンシップの頃の活動を評価していただき、当初から、教材開発事業部部長をやっていましたので、中高生向けサイエンス誌『someone(サムワン)』などを手がけていました。『someone』は、リバネスで立ち上げた最初のメディアなのですが、実験教室よりも、広く科学の魅力などを伝えていくことができます。学校の先生に会いに行くためのツールとしても非常によかったと思います。
佐野:これまでで一番心に残ったプロジェクトについて教えて下さい。
塚田:神奈川県にある高校で実施した実験教室です。私が営業して、初めて実施が決まった実験教室でした。メッセージをメンバー全員で、ちゃんとつくりこんで講師(TM)として巧みに伝えていく。高校生たちがそれをちゃんと受け止めてくれると、表情など目に見えて変化があるんです。とても感慨深い思いをしました。
佐野:塚田さんは、「植物工場」に関する事業を立ち上げましたよね?
塚田:まだ大学院に在学していた2009年頃から始めました。当時はアグリ事業部というものがあり(現在は地域開発事業部と研究開発事業部に継承)、川名さんが一緒になって始めていました。植物工場は特に海外では注目されていますよね。農学の新しい技術が社会に見えやすく実装されて、非常に分かりやすいですし、「世界中のどこでも食料を生産できます」といったメッセージがあるランドマーク的な事業だと思います。ビジネス的にはまだ課題がありますが、でもとても意味のある取り組みだと考えています。
佐野:今後はどのような取り組みをしたいですか?
塚田:私は長い間、地域開発事業部長をやっていたのですが、当初は、地域にはどんな産業があり、技術をもってどのような貢献ができるかを考えていました。多くの地域では一次産業が盛んですから、私たち自身が一次産業に新技術を導入していくことで、いかに各地域に貢献できるかということを考えていたんです。しかし現在では、地域には様々なプレイヤーがいることを知り、大手企業、町工場、アカデミア、地方銀行そして熱意ある人々を未来に向けてどう活かし繋いでいくのかを考えるようになりました。
佐野:それが熊本県での「熊本TECH PLANTER(テックプランター)」につながるんですね。
塚田:地域発ベンチャー企業を創出する。そのための仕組みをつくろうと考えています。まずは、農業分野での展開を強化したいですが、医療など別の分野にも応用できる仕組みが開発できればと考えています。地域のひとたちとともに、科学技術をもって世界あるいは地域の幸せをどのように創出していくのかを考えていきたいと思います。