静岡雙葉中学校・高等学校で画像認識AIを開発する出前教室を実施しました
株式会社リバネス(以下リバネス)は、2022年3月30日 静岡雙葉中学校・高等学校(学校長 土屋 枯野)にて実験教室を実施しました。
対象は中学1年生から高校1年生の希望者23名、「古今東西いぬ・ねこ対決!〜AIで判定してみよう〜」というタイトルで画像認識AIについて研究開発する体験をしていただきました。
今回実験教室で用いた画像認識AI「Humanome Eyes」は、リバネスのグループ会社である「株式会社ヒューマノーム研究所」が開始した、誰でも画像認識AIを開発できるサービスです。
実験教室では、このツールを使ってオリジナル画像認識AIを開発し、体験を通して仮説をたてて検証に挑む研究のサイクルを体験することを目的としました。
導入講義では、講師が言語化の難しい職人技術の再現と保存に画像認識AIの応用が期待されている事を紹介し、「賢い」イメージのあるAIが人間の感覚を再現することの難しさに触れました。
人間の感覚をAIで再現する活動として、中高生の皆さんに馴染みがある「犬」と「猫」を見分けるAIを開発しました。
講義の様子
開発の時間は、生徒たちが「犬」と「猫」を見分けているポイントを列挙していき、その中から「両目」「輪郭含む顔全体」「目鼻」「目鼻口」のうちいずれかをAIの学習部位として生徒自ら40枚以上の学習用画像の学習部位の設定を行いました。
その結果学習部位によって精度が異なり、犬・猫の「目鼻口」の部分を学習したものが最も精度良く判別するという結果になりました。
班でのディスカッションの様子
学習部位を設定(アノテーション)する様子
出来上がったAIの評価は、テスト画像とテスト画像の目や鼻を切り取ったもの、トレーシングペーパーによるテスト画像の書き写しなどを用いて検証したいことに対応した画像を自ら作成し、
目鼻のバランスや目鼻周囲の細かい線との関係など画像認識AIが学習した内容を探りました。
テスト画像の目や鼻を切り取ったものとそれを使って検証する様子
参加した生徒たちは画像認識AIの開発プロセスを学びつつ、私たち人間の視覚情報を介しての認識について言語化し、「人間による識別の代替」という答えのない問いに挑みました。
今回の実験教室のポイントは、問いに立ち向かう仮説検証のプロセスの中で、「できないことを知る」のが次の仮説検証に進むための
ポジティブな過程であり、研究そのものの「面白さ」につながるということを体感してもらうことでした。
今後、研究の中で「失敗」や「課題」にぶつかったときに、一層研究の「面白さ」を深められる機会として捉えてもらえることを祈っています。
開発したAIについて発表する様子
〔参加した生徒の感想〕
●研究は作って終わりではなく、精度を上げていくということが重要なのだとわかりました
●AIに認識してもらうには何を重視させたら良いのかを何度も考えて、テストしたことが印象的だった。失敗を次に活かそうと思った
●AIは人間よりも優秀で、学習時間も数秒ぐらいだと思っていたが、間違えたり、時間をかけたりすることに驚いた
●今までAIを作ることは難しいから普通の人には作れないものだと思っていましたが、この機会を通して自分でもAIを作れることがわかったので興味を持ちました
〔概要〕
日時:2022年3月30日(水) 10:00-15:00
会場:静岡雙葉中学校・高等学校
対象:中学1年生〜高校1年生 23名
テーマ:「古今東西いぬ・ねこ対決!〜AIで判定してみよう〜」
講師:正田 亜海
リバネスでは、答えのない課題に挑戦できるような出前実験教室を全国の小中高校でオンサイトまたはオンラインにて行っています。実験教室の実施をご希望の方は以下のお問い合わせ先にご連絡ください。
■お問い合わせ先
教育開発事業部
TEL:03-5227-4198
E-mail:[email protected]