ハイラブル社とコミュニケーションの場を見える化する Bamiel (バミエル) を活用し、学会ポスター会場の活性度を分析する実証実験を実施

ハイラブル社とコミュニケーションの場を見える化する Bamiel (バミエル) を活用し、学会ポスター会場の活性度を分析する実証実験を実施

株式会社リバネス(東京都新宿区、代表取締役社長 CKO:井上 浄 、以下、リバネス)と、ハイラブル株式会社(東京都豊島区、代表取締役:水本武志、以下、ハイラブル)は、超異分野学会 大阪大会 2022 のポスターセッション会場で「雑踏環境での盛り上がりの可視化に関わる実証試験」を実施しました。

 ポスター会場のような偶発的な会話が多数発生するイベントでは、「どこで何が起こっているのか」という全体の状況把握が困難でした。一方、イベント参加者にとっては、自分の興味のある場所以外に「人気のある盛り上がっているところ」や「空いていてじっくり話を聞けるところ」に行くには、自らその場に行って判断するしか方法がありませんでした。

そこで、ハイラブル社と連携し、同社が提供するコミュニケーションの場を見える化する Bamiel (バミエル) を活用して、超異分野学会 大阪大会2022のポスター会場内にてコミュニケーションを可視化する実証実験を行いました。その結果、雑音が大きく広い会場でも、活性化したエリアの可視化や、一日を通した活発なエリアの変遷の可視化に成功しました。

【Bamiel とは】
 ハイラブルが開発した Bamiel は、空間に専用レコーダーを配置することで、場のコミュニケーションの活性度をリアルタイムで可視化するクラウドサービスです(特許出願済、プレスリリース)。これまで、比較的静かで小規模なオフィス環境をターゲットとして、コミュニケーションの計測・可視化ソリューションとして開発し、提供していました。

【実証実験の概要】
実証実験の概要は以下の通りです。

  イベント名 超異分野学会 大阪大会2022 (リンク)
  実施日   2022年 8月 27日
  実施場所  ナレッジキャピタル カンファレンスルーム ポスター会場
  実験状況  18m x 9m に 14台のレコーダーを配置
        レコーダーは、参加者を妨げないようにポスターの隙間に設置しました。

【実証実験の結果】
 ヒートマップ推定アルゴリズムの改善などによって、ポスター会場全域での可視化に成功しました。図1が2つの異なる時刻のヒートマップを表しています。図1の下側が入り口側、上側が奥側です。オレンジ色が濃いほど会話が活性化していることを表しているので、図1上の10時頃のデータは会場左奥が、図1下の13時頃のデータは会場の右側全体が盛り上がっていることが読み取れます。

図1 異なる2つの時間のヒートマップ

 次に、エリアごとの分析を行いました。ポスター会場を図2のように上下に半分に分割しました。上半分は奥側、下半分は入口側と呼びます。また、入口から見て左側を「左」、右側を「右」と呼びます。

図2 分析エリアの名称

 

 エリアごと、時間ごとに活性度を可視化した結果を図3に示します。明るい色が活発であったことを、暗い色が静かだったことを表します。ここから、午前中は会場左奥が活発であったこと、コアタイムの11時〜12時ごろはピークが無く全体的に会話が起こっていたこと、14時以降は会場左側の手前と奥が活発であったことがわかりました。

図3 エリアごとの活性度の変遷

 

【今後の展開】
 今回の実証実験で、多数の人が会話する広いポスター会場での可視化実験に成功しました。今後も、比較的静かなオフィス空間の分析に加えて、ポスター会場や展示会などの雑音が大きく広い空間へも Bamiel の適用範囲を広げていきます。

同時多発的なコミュニケーションが生じるシーンにおいて、バミエルを活用することで、局所的な盛り上がりや、うまく人が流動していない場所をリアルタイムに把握し、コミュニケーションをより活性化させるための即時介入が可能になると期待しています。

 

 ◆ハイラブル株式会社について
「音環境分析でコミュニケーションを豊かにする」をミッションとして、対面とオンラインの話し合いを見える化するサービスを開発・運用しています。これまで学校や企業に、のべ 4.7 万人以上の話し合いを分析してきました。
HP: https://www.hylable.com/

◆本件に関するお問い合わせ先
株式会社リバネス
知識創業研究センター 
中嶋 香織
E-mail:[email protected]