リバネス、ユニバーサル・バイオサンプリング社と新たなヒト糞便サンプル回収のプラットフォーム構築に向けて共同研究を開始

リバネス、ユニバーサル・バイオサンプリング社と新たなヒト糞便サンプル回収のプラットフォーム構築に向けて共同研究を開始

株式会社リバネス(代表取締役社長 CKO:井上浄、以下「リバネス」)と株式会社ユニバーサル・バイオサンプリング(代表取締役:平田 史明、以下「UBS」)は、採便検体中の微生物・代謝物の組成を保持したまま常温でサンプルの輸送ができる新規手法の構築に関する共同研究を開始します。

 

人の健康と腸内細菌との関係性については、この10年ほどで論文報告が爆発的に増加し、疾患との関連など我々は多くの知見を得てきました。欧米型の食事、ハラル圏の食事といった食文化の違いによる腸内細菌叢と代謝物の変化を明らかにしていくためには、誰でも利用しやすく、かつ安定してサンプルを輸送できる仕組みが必要です。安定して輸送する方法として凍結保存や薬品を加えて保存する方法が挙げられますが、凍結処理や輸送が煩雑、高コストになることや、薬品のために代謝物を含む重要な物質の測定が阻害されてしまう問題があります。そのため、大規模にサンプルを回収するためには、常温で薬品を加えずに安定して輸送できる方法が必要です。

 

UBSは、検査用の唾液や血液サンプルの保存・輸送が冷蔵・冷凍で行われているために運用コストが高くなっている課題を、常温での保存・輸送手段によって解決し、検査をより身近にすることを目指し研究開発を行ってきました。現在、常温で唾液、血液を保存し、乾燥させ、輸送、解析前のサンプル処理、情報管理の仕組みを組み合わせた独自のサンプル回収カートリッジ「UBiSSカード(※1)」を開発し、日常的に生体情報を集める検体検査統合プラットフォームの確立を目指しています。

 

この度の共同研究では、UBiSSカードというプラットフォーム技術に、リバネスのものづくり、アカデミア、ベンチャーが持つ技術や知識を掛け合わせることで、常温の保存・輸送で糞便中の微生物、代謝物の組成が変わらないキットの開発を行います。これにより、世界規模で食文化、生活習慣など人々の生活の多様性と腸内環境の関係性についての研究を前進させるだけでなく、関連するヘルスケアのサービスを活性化させていくことを目指します。

 

※1 UBiSSカード
微量の液体検体を採取後に固相化し、常温で検査ラボに輸送することができるカードタイプのカートリッジ(写真)。カードに印刷されているQRコードにより、検体を固有のコード体系で管理することが可能。

 

 

 

 

 

*株式会社ユニバーサル・バイオサンプリングについて
ウェブサイト https://www.universal-bs.com/
検体検査を容易にする革新的プラットフォームを提供し、すべての人の健康と福祉に貢献することを目指している。唾液や血液などの液体バイオサンプルを固相化するUBiSSⓇカードを使い、常温でのバイオサンプルの採取、輸送、処理、保管するシステムを構築している。