【大阪】【実施報告】大阪明星学園 明星中学校にて探究学習の導入プログラムとなる実験教室を開催!
2023年5月31日(水)に、大阪明星学園 明星中学校のS特進コース 中学3年生を対象に探究学習の導入企画となる実験教室「リサーチイグニッションプログラム」を実施しました。
本プログラムでは、実験教室を通じて分野の異なる3つの探求テーマを生徒らに示し、探究活動のスタートとなるテーマ設定の機会を提供しました。あわせて、修士号・博士号をもち、研究経験のあるリバネスのコミュニケーターから仮説検証のサイクルや研究の魅力について学び、参加生徒らはこれから始まる探究活動への期待を高め、探究学習に取り組む準備を行いました。本プログラム実施後は、大阪明星学園の教員と連携して生徒らの探究学習のサポートを行い、2023年12月17日に開催される中高生のための学会「サイエンスキャッスル2023 関西大会」でのポスター発表を目指します。
本プログラムでは、「未利用資源で水質浄化」「植物色素を使った太陽電池」「コミュニケーションする植物ロボ」の3つのテーマについて、講義や実験、ワークを通じて生徒らが実際に体験しながら学び、自身の興味関心を確かめながら探究テーマの選択を行う機会としました。6-7名からなる班を、研究経験を持つリバネスのコミュニケーター1名が担当し、生徒らとの対話で関心を引き出したり、不明点を解消したりしながら実験を進め、プログラム全体を通して「ワクワクがテーマ選びのヒント!」というメッセージを伝え、生徒らの探究テーマ設定を後押ししました。
1つ目のテーマ「未利用資源で水質浄化」では、沖縄出身でサンゴ研究を専門とする講師から島嶼地域の水不足に関する課題を紹介し、簡易で現地の素材を活用した水質浄化技術の必要性や、凝集やろ過といった水質改善の手法、パックテストを用いて目に見えない性質の可視化などについて講義や実験を通して学びました。凝集剤やろ過操作によって透明度を大幅に改善できることを実感した上で、CODやリン酸、窒素といった項目をパックテストで実測し、目に見えない性質にも実験で確かめました。最後に離島でも活用できる水質浄化システムを考案するワークを行い、身近な材料の活用や無電力で実装できる仕組みについてアイデアを出し合いました。
1つ目のテーマ「未利用資源で水質浄化」の様子 |
2つ目のテーマ「植物色素を使った太陽電池」では、数学のトポロジー(位相幾何学)という分野で「形の共通点を見つけ分類する研究」を専門とする講師からエネルギー問題と再生可能エネルギーの活用について紹介し、太陽光発電や色素増感型太陽電池の仕組みについて学びながら分光器を用いて太陽光・蛍光灯の光の観察や、色素増感型太陽電池の制作を行いました。ブルーベリーなどの複数の植物色素を用いて生徒自ら制作した色素増感型太陽電池で実際に発電できることを確認し、異なる植物がもつ色素について、共通点を考え、発電効率の向上について検討を行いました。
2つ目のテーマ「植物色素を使った太陽電池」の様子 |
3つ目のテーマ「コミュニケーションする植物ロボ」では、ロボット工学を専門とする講師から人とのコミュニケーションを役割とするロボットの活用や課題について学び、「不気味の谷」を超えるためのロボットを用いたコミュニケーション研究について体験しました。生物の動きを模倣するための「バイオメタル」を用いた植物ロボットの動きから人がどのような感情を感じ取るかを実際に検討するため、その動きをプログラミングで制御して「喜び・悲しみ・怒り・驚き」といった感情を表現することに調整しました。思い通りに動かない植物ロボットに苦戦しつつも、研究の醍醐味としての試行錯誤を体験し、一歩ずつ挑戦する姿勢を学びました。
3つ目のテーマ「コミュニケーションする植物ロボ」 |
本プログラムに参加した生徒らは、今回体験した内容をもとに1年間取り組む探求のテーマを自ら考案し、グループ単位での探究学習に挑戦します。探究学習の導入プログラムとして、実験教室形式で複数のテーマ候補の提示を行い、リバネスのコミュニケーターによるサポートのもと各テーマに関する基本知識の習得と興味喚起を行うことで、生徒らの探究活動のスタートを支援しました。
リバネスでは、本プログラム実施後にテーマを決定してスタートする探究学習を大阪明星学園の教員を通じてサポートし、2023年12月17日(日)に大阪明星学園 明星中学校・高等学校で開催するサイエンスキャッスル2023 関西大会でのポスター発表を目指します。
■参加生徒の声
・話を聞くだけでなく、実際にしたからこそ印象に残るし、理解できました。とても面白かったです。
・色々な分野のことを座学だけではなく、実験でも知ることができ、とても楽しかった。また、自分の好きな分野での研究もしたいと思った。
・本当にありがとうございました。特に最後は「答えのない問い」を考え続けることがとても楽しく感じました。
・実験は思うように行かないことが多いけど、成功したら楽しいことが身をもって体験できました。
・難しい内容もあったが、研究者に対しての印象も変わり、日常生活でも使える「実験のサイクル」を学べた。
・TAさんが親しみやすくて良かったです。実験も楽しかったです。
・興味がある研究テーマに出会うことができたのでありがとうございました。
■実施概要
・日時:2023年5月31日(水)9:00-15:10
・場所:大阪明星学園 明星中学校・高等学校
(大阪府大阪市天王寺区5 大阪市天王寺区餌差町5−44)
・対象:中学3年生
・内容:未利用資源で水質浄化、植物色素を使った太陽電池、コミュニケーションする植物ロボ
<本件に関するお問い合わせ>
上記のような出前の科学実験教室に興味のある方は下記までお問い合わせください。ご相談に応じて内容を検討することができます。
株式会社リバネス 大阪本社 担当:仲栄真・伊地知
MAIL:[email protected] / TEL:06-6125-5622