【実施報告】ディープテックツアー in インドネシア を初開催

【実施報告】ディープテックツアー in インドネシア を初開催

株式会社リバネスは、2023年11月16日(木)〜18日(土)、ディープテックツアー in インドネシアを開催しました。

 

リバネスのディープテックツアーは、東南アジア各国のディープテックを分野を超えて俯瞰することで、現地の課題やトレンドを理解し、新規事業の創出を目指すビジネスツアーです。2023年度は、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナムの東南アジア6カ国で開催しています。(参照:ディープテックツアーについて)。

2023年11月16日(木)〜18日(土)の3日間はインドネシアで初開催となる、ディープテックツアー in インドネシアを開催しました。インドネシアは、東南アジアで第1位、世界第4位の人口(2.738億人)を抱え、将来のマーケットとして注目を集めています。一方で、国を支える農業や水産業といった一次産業の生産革新は喫緊の課題です。今回のツアーでは、『島嶼国のアグリ・アクアテック』をテーマに、インドネシアの農業や水産業の現状と課題を知るための現地視察を行いました。

ツアーには、日本から、7社のベンチャー、1社の大企業、1社のファンド、合計11名が参加し、各社の技術をインドネシアの課題解決に活かすことで、ビジネス展開できる方法を模索しました。東南アジアでのビジネスの実績を持つ、リバネスのコミュニケーター5名が、ツアーを先導し、各社のビジネス展開を議論しました。

11/16(木)-11/17(金)の2日間で2つの大学研究機関、1つの農場、1つの政府機関、1つの現地上場企業、合計5箇所を訪問。また、各機関が支援する合計22の現地ベンチャーとも議論することで、現地の課題を理解し、日本のベンチャーや大企業の技術を活かして共にビジネス展開する方法を議論しました。

11/18(土)の最終日には、リバネスが主催する超異分野学会インドネシア大会に参加し、合計135名の現地の研究者、企業や政府の関係者と共に、インドネシアでの事業の可能性を議論しました。

(参照:超異分野学会インドネシア大会 実施報告

 

参加者からは、現地で共同研究者やビジネスの連携先が見つかったという声や、現地の課題を体験することで、東南アジアを俯瞰したビジネス戦略に繋がったという声が聞かれました。

リバネスでは、今年度2月に、ベトナムとマレーシアでディープテックツアーを開催しています。東南アジアでのビジネス展開の糸口を探るために是非ご活用ください。

【詳細・お申し込みはこちら:https://lne.st/business/dtt/

 

 

<ディープテックツアー in インドネシア 実施の様子>

Day1 11月16日(木)

■テーマ:農業課題と大学研究の今を知る Knowing agriculture issues & academic research

■訪問先:Institut Pertanian Bogor (ボゴール農科大学), Science & Technology Park / Institut Pertanian Bogor (ボゴール農科大学), Residential Pest Control Study Unit / PT. BIOPS Agrotekno Indonesia, Farm (現地農場)

 

Day2 11月17日(金)

■テーマ:政府の取り組みと養殖・農業のスタートアップを知る Knowing the government policy & startup business in Agri & Aqua

■訪問先:PIDI 4.0 (工業省傘下の製造業DX拠点)/ PT Nanotech Indonesia Global Tbk (NANO), Incubator (ナノマテリアル、ナノバブルを軸とする現地上場企業)

 

Day3 11月18日(土)

■テーマ:農業と水産業のパートナーとプロジェクトを形成する Finding Agri & Aqua partners and make projects

■参加イベント:Hyper Interdesciprinary Conference in Indonesia 2023

 

 

<参加者の声> 

ゲノム情報を活用した高速育種技術により、気候変動や東南アジアの環境下でも高品質、高付加価値な園芸作物を生産し、「未来の適地適作」を実現することに取り組んでいます。インドネシアでは、イチゴの生産農家と繋がるなど、独自に活動を始めていましたが、今回、現地の農作物サプライチェーンと連携している現地ベンチャーとネットワーキングできたことで、将来の販路を具体化できる可能性が強まりました。一方、初めて現地に入って、色々な場所を訪問する中で、未舗装で車の揺れが激しい道路や、洪水の影響で通れない道路などを体感しました。車道インフラが整わない現状においては、運搬で傷みにくい作物から事業を始めた方が良いかもしれません。今回のツアーで、インドネシアの課題を体感することで、単なるマーケットという観点だけでなく、インドネシアでどうやってビジネス展開をしていくかというステップが見えてきました。今後は、別途、拠点作りに動いているマレーシアでのビジネス展開と並行しながら、インドネシアでも、今回のツアーで得た関係先を基点に、プロジェクトを作っていく予定です。

株式会社CULTA 代表取締役 野秋 収平 様)

岐阜大学発で、世界初の繊維加工プロセスを確立し、全く新しい”あな”空き高機能素材を開発しております。この繊維の”あな”に虫除け剤などを含有させることで、蚊が媒介するデング熱やマラリアなどの感染症を防ぐことのできる服や繊維の開発を行っています。今回、ボゴール農科大学で、現地の蚊や害虫を使って、害虫忌避剤・駆除剤などの研究を行っている研究機関を訪問できたことで、実際にインドネシアの蚊を使って、我々の繊維の効果検証を行う共同研究先を見つけることができました。また、土曜に参加し、発表機会を得た学会には、附属病院を持つ大学の臨床・医学系の研究者も何名か来ており、将来的に臨床で繊維の検証ができる連携先にも出会えました。今後は、今回繋がった連携先と協力し、プロジェクト実装に必要な資金も獲得しながら、一刻も早く、蚊におびえない社会を東南アジアの人々に届けられるように、邁進していきます。

FiberCraze株式会社 代表取締役社長 長曽我部 竣也 様)

我々は、水素の持つ無限の可能性に着目し、水素透過性の極めて高いバナジウムを使って超高純度水素の精製を安定的かつ安価で実現するデバイスを研究開発中です。今回は水素供給の拠点としての東南アジアの可能性と課題を肌で体感することを目的に、初めてディープテックツアーに参加しました。インドネシアは、大きなマーケットとしてのイメージや、将来的な水素の供給源になり得るイメージを持っていました。しかし、実際に行って現地の研究者や、政府関係者と話してみると、ローカルの人々にとっては、水素エネルギーはまだまだ将来の技術で、再生可能エネルギーの分野においては、太陽電池の導入が盛んに進められているところだということがわかりました。次は、隣国のマレーシアへのツアー参加を検討し、東南アジアでの水素の可能性を俯瞰して、技術導入の策を練る考えです。

株式会社ハイドロネクスト CEO 永井 正章 様)

 

本ツアーに関するお問い合わせはこちら:

株式会社リバネス 担当 神藤・上野

Email: [email protected] Tel: 03-5227-4198