サイエンスブリッジコミュニケーション

社会課題の解決には、先端科学と社会の「橋渡し」が必要だ。

近年、科学技術が急速に発展する一方で、研究者と市民の間の知識格差は広がっています。最先端の科学技術が社会に根付き、豊かな生活をもたらすためには、研究現場から社会への「橋渡し」が必要です。

産業界においても、研究開発から生まれた製品の魅力を市場に的確に伝えるためには、専門性の高いコミュニケーション力が必要となります。同じことは、新規事業を生むために異分野の技術シーズを発掘し、それを育成していく場合にも当てはまるでしょう。

また、アカデミアにおいて学際的な研究を進めるときにも、あるいは学校現場での先端科学教育においても、同様のコミュニケーション力が求められます。

高度な研究結果や、最先端の科学技術は、それ自体に大きな価値があるものです。しかし、他者に「伝える」ことができなければ、その価値は社会には認められず、また社会で活用されることもありません。科学技術が孤立してしまうことは、科学技術そのものだけでなく、社会にとっても大いなる損失となってしまいます。

そこでリバネスでは、先端科学に関する正しい知識を身につけ、やりとりをする対象に合わせてわかりやすく伝えることを『サイエンスブリッジコミュニケーション』と名付けて概念化するとともに、そうしたスキルを持つ人材『サイエンスブリッジコミュニケーター®』の育成に取り組んでいます。

サイエンスブリッジコミュニケーターは4つの能力で世界を変えていく。

リバネスでは、『話せる/書ける』『つなげる/創る』という4つのプロセスを回すことができる人材をサイエンスブリッジコミュニケーターと定義しています。

そのうえで、『話せる/書ける』という共感的コミュニケーションの能力をもつ人材をサイエンスブリッジリーダー、『つなげる/創る』という交渉的コミュニケーションの能力をもつ人材をサイエンスブリッジマネージャーと呼んでいます。

サイエンスブリッジリーダーに求められる能力が『話す/書く』ではなく『話せる/書ける』である理由は、一方通行のコミュニケーションではなく、「相手の共感を得ること=相手にブリッジできること」こそが重要だからです。その具体的な要素として、コミュニケーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、ライティングの4スキルを設定しています。

つまり言葉と文章で相手の共感を得ることのできる人材が、サイエンスブリッジリーダーなのです。

> サイエンスブリッジリーダー育成プロジェクト

人間は、相反する概念を同時に保持できる。

これに対して、サイエンスブリッジマネージャーに求められるのは「それぞれに異なる事象や物事をつないで、新たな価値を生み出す力」です。『つなげる』の要素であるネゴシエーションとエディティングは、いずれも「別々の個人にひもづく、それぞれにベクトルが異なる知識」を一つにまとめることに他なりません。

また、『創る』の要素であるマネジメントとクリエイションは、「自分の常識や固定観念を疑い、新しい知識を生み出す」ために不可欠なスキルです。『つなげる/創る』を達成するためには、大きなエネルギーを自らつくりだす必要があり、それゆえにリバネスでは『話せる/書ける』の上位概念としてこの2つを位置付けています。

共感的コミュニケーションと交渉的コミュニケーションは、一見すると矛盾するように感じられるかもしれません。しかし、相反する概念を同時に保持できる存在こそが人間であり、またそれができるからこそ、人間は新たな価値を創造することができるのだとリバネスは考えています。

話せる、書ける、つなげる、創る。

この4つの能力によって、リバネスのサイエンスブリッジコミュニケーターは世界をより良いものに変えていきます。