【kit pick up!】3時間でできる! PCRによるDNA鑑定実験【株式会社カネカ×株式会社リバネス】
ノーベル賞受賞技術、PCR。受験にも出題される本実験の学習ニーズの高まりから、
SSHに採択された学校や、先端の実験授業・課題研究に力を入れる学校では、
サーマルサイクラーと電気泳動槽を購入し、身近な植物や昆虫を題材としたPCRによるDNA鑑定実験の事例が増えてきました。
しかし、通常のプログラムでは、試薬の分注や調製で1時間、PCR(35サイクル)で150分、
アガロースゲル電気泳動とDNAの染色で90分と合計5時間もの時間が必要で、
所要時間の長さと教える内容の多さが、本実験導入の障壁となっていました。
そこで今回、株式会社カネカにご協力いただき、
PCR反応35サイクルが60~90分で完了する酵素と、DNA電気泳動を行うことなくDNAの増幅結果が5分で確かめられる
研究者向けの実験ツール「D-QUICK(ピペットチップ型増幅判定ツール)」を既存のDNA鑑定キットに組み込むことで、
実験の所要時間が3時間に短縮され、また電気泳動を行わないためPCR実験に特化して学べるプログラムを実現しました(導入事例)。
また費用も、電気泳動槽が不要なので割安になります。
まだPCR実験を実施したことのない学校も、頻繁にPCR実験を行う学校も、ぜひ活用していただきたいキットです。
PCRでDNA鑑定に挑戦しよう!
PCRキットwith D-QUICK
価格:30,000円(税込)[1キット20名分]
<内容物>20名分(1人1サンプル)
テンプレート DNA、PCR プライマー、マスターミックス(※カネカ社製高速ポリメラーゼ入り)、PCR チューブ、マイクロチューブ、D-QUICK(20本)
<キット以外で必要な物>
マイクロピペット 20μl用(5本 各班1本)、マイクロピペット 200μl用(1本 試薬準備用)、マイクロピペット用チップ(5箱 各班1箱)、サーマルサイクラー(1台、フロート(5個)、氷(試薬冷却用)
※必要機材は、リバネスから販売およびレンタル(有料)を行っております。ご入用の際はお問い合わせください。
※サーマルサイクラーは、低価格(税抜9万8000円)かつ温度調節スピードも速いopenPCRを推奨しています(レンタルも可能です)。
※本キットに含まれるD-QUICKは、20本ずつの小袋包装でのお届けになります。
実験手順
- PCR実験( 写真1)
① テンプレート DNA、PCR プライマーF、PCR プライマーR、マスターミックスを氷上で融解させる。
② テンプレート DNA、PCR プライマーF、PCR プライマーR をPCR チューブに加える。
③ ②の PCR チューブにマスターミックスを加え、ピペッティングにより溶液を均一にする。
④ サーマルサイクラーにてDNA増幅 (以下はDNA増幅プログラムの一例)。
※ネガティブコントロールについて
十分量のPCR チューブが用意されていますので、テンプレート DNA・プライマー・ポリメラーゼのいずれか、もしくはサーマルサイクラーでの処理を除いたPCR チューブを用意することで、ネガティブコントロールをとることができます。
※注意点
サンプルはできるだけ氷上に置いた状態にし、PCRチューブをつまむ際もできるだけ上部を持つようにし、サンプルが温まらないように注意してください。
- D-QUICKでDNA増幅判定( 写真2)
① ピペットにD-QUICKを装着し、ゆっくり15回程度ピペッティングする。
② サンプル液の色の変化を確認し、「青=DNAがある」 「無色=DNAがない」でDNA増幅判定を行う。
【D-QUICK原理 】
D-QUICKにはフィルターが付いていて、中にはDNAに結合するAという色素と、Aを無色に変化させるBという試薬の2種類が入っています。PCR後の溶液を吸うことで、AとBが混ざります。
◎DNAがない場合
色素Aと試薬Bが結合し、溶液は無色に変化します。
◎DNAがある場合
DNAと結合した色素Aは、試薬Bと結合できず青色のまま残るため、液体が青色になります。DNAと結合しきれなかった色素Aは試薬B と結合して無色になります。