海のカメレオンイカの体色変化の秘密

海のカメレオンイカの体色変化の秘密

自然界には体の色を変えることができる生物がおり、カメレオンやメダカなどが知られています。
この変化には早くても数 分かかりますが、今回は、わずか15秒で赤、黄、緑、青と万華鏡の様に体の色を変えてしまうある生物に関するニュースです。 

なんとその生物はイカ。

皮膚をよく見ると、たくさんの七色に輝く点をもっています。
しかしその中に様々な色素をもっているわけではなく、虹色素胞という細胞があり色を生み出しています。
他の魚を使った研究で は虹色素胞の中にはたくさんの小さい板状物質が数μm単位で並び、その間隔が微妙狭くなったり広がった りすることで光の反射率が微妙に変化し、光の乱反射が起こることで様々な色が見えることがわかっています。
これらは劇的な変化のため、素早い反応を起こすことができる神経伝達系が関係してると考えられて います。

しかし、コウイカを使った実験ではその制御が複雑なため、体色変化の仕組みはほとんど分かって いませんでした。
そこでアメリカのウッズホール海洋生物学研究所のトレバー・ウォーデルらは、アメリカケンサキイカの1種を用いて、イカの神経束に直接電極を取り付ける新しい手法を使い実験を行いました。
神経に電気的な刺激を与えると、虹色素胞の色や輝きが変化する様子が観察され、体色変化を制御する神経系が存在していることがはっきりしました。
現在研究チームは神経伝達物質の関与について詳細に調べ ています。
また、実はイカは青い光しか感知することができないため、この色変化がイカの生態にどう関わっ ているのかは、まだはっきりとはわかっていません。
研究としての意義や活用より、面白い現象に気付いたと ころから研究が始まる。
研究者の目の付けどころは、日常のあらゆるところに溢れているんですね。