血液型で感染占い?!
血液型でノロウイルスのかかりやすさがわかる?!
すっかり暖かくなって来ましたね。
集団食中毒の原因として有名なノロウイルスは、牡蠣などの二枚貝の中で濃縮され、それを食べた人の腸管に感染して、急激な嘔吐や下痢、腹痛などの症状を引き起こします。
「みんなで一緒に牡蠣を食べたのに、私だけ感染した。一体なぜ・・・?」そんな苦い経験をした方もいるのではないでしょうか。
実は、米国ベイラー医科大学の実験によって、ノロウイルスのプロトタイプ(初めて発見された種類)は、O型の人に感染しやすく、B型の人には感染しにくい傾向にあることが示されました。
人の血液型は、赤血球表面にくっついている糖鎖の種類によって決まっており、O型の人の赤血球にはO型特有の糖鎖、A型にはA型糖鎖、B型にはB型糖鎖、AB型にはA型糖鎖とB型糖鎖の両方がくっついています。
通常、これらの糖鎖は、赤血球表面だけではなく、腸管の粘膜上皮細胞や気道、唾液、体液中にも存在しているのですが、ノロウイルスは、腸管細胞の表面にあるO型の糖鎖を認識して、細胞内に入り込み、下痢や嘔吐などの症状を引き起こすということがわかりました。
では、B型の人は生牡蠣を食べても大丈夫か?!というと、実は、ノロウイルスは突然変異が起きやすく、現在までに38種類以上の遺伝子型が見つかっている多様性に富んだウイルス属です。
各遺伝子型のウイルスが異なった血液型糖鎖を認識することもわかっているため、一概にB型の人は感染しない、とはいえないのです。
感染予防には、よく手を洗う、貝類は十分に加熱する、調理器具は熱湯消毒(85℃以上、1分以上)することが重要です。
ちなみに、アルコール消毒では失活しませんので気をつけてください。塩素系消毒剤や漂白剤が効果的です。