自動車部品大解剖!こんな技術に男泣き!~スパークプラグ・日本特殊陶業~
随分時間がかかってしまいましたが、以下↓の続きです。
自動車部品大解剖!こんな技術に男泣き!~プロローグ~
さて、記念すべき第一回目の自動車部品はスパークプラグ。
その部品の世界シェア31%を占める企業日本特殊陶業を紹介します。
スパークプラグってなんじゃらほい?
まずスパークプラグってなんだろうってところから始めましょうか。
車は、気化させたガソリンと空気を燃料室というところに流し込み、これを繰り返し圧縮、爆発させることでタイヤを回して前に進みます。
ガソリンを爆発させる時に、火花を発生させる必要があるのですが、この火花を発生させる装置がスパークプラグです。
動画リンク貼っときますね。
http://www.youtube.com/watch?v=oODUt9HlexY
一見フーン、で済ませてしまうところなんですが、このスパークプラグはエンジンの推進力を得る大切な部品であると同時に非常に過酷な条件下で動かなければなりません。
その条件下とは、
①冷たいガソリンと空気の混合気と爆発後の熱い燃焼ガスの激しい温度差
②火花を発生させるための2万から3万Vの電圧(一般家庭の電圧の200~300倍)
③爆発の際に受ける圧力(1円玉の上に150kgのお相撲さんが乗っかる程度の圧力)
④精密機器には基本厳禁である、燃焼ガスに大量に入った水やチリ
スパークプラグ、ヤヴァいですよね!!
高品質なスパークプラグと言えば、日本特殊陶業
この無茶ぶりを全て乗り越えた高品質なスパークプラグを製造しているのが、日本特殊陶業という企業です。
コア技術は高度なセラミックス製造技術。
そして、セラミックス最強の特徴は電気を通さないこと、そして熱や劣悪環境に強いこと。
上の条件にびたっと合います。
ちなみに、セラミックスとは簡単に言えばお茶碗のような粘土を焼き固めたような素材のことを言います。
実際にお茶碗や皿に始まる生活の周りの石のような固い材料はほぼセラミックスであり、食器だけでなくトイレの便器やら情報機器やら人工骨など皆さんの知らない間に社会を支えてる健気な材料なんです。
この会社のはじまりは、当時日本ガイシの公務部長であった江副孫右衛門がアメリカで点火プラグの工場を見たことにさかのぼります。
当時のアメリカは自動車のベルトコンベア工場が確立され、自動車が大衆化しつつある時代でした。
日本の自動車会社トヨタ、日産、本田が生まれたのは1930年代、まだどの企業もありませんでした。
「日本の自動車産業はきっと大きくなる。その時きっと国産のスパークプラグが必要とされるはずだ」と先見の明で需要を見出した孫右衛門は、早速スパークプラグの開発に取り掛かったのでした(先見の明ですよね)。
1964年には本田と共に最高品質が求められるF1レースに参戦しており、現在もメルセデスやフェラーリなど世界最速に挑戦する車に愛されて続けています。
地味な材料に秘められた、その気合いと品質に男泣き!
自動車、解剖してみると、どこにもかしこにも凄い技術が隠れていてアガリます。