そうだ、研究する水族館にいこう
梅雨が開け、今年も本格的な夏がやってきますね!
炎天下のうだるような暑さを癒してくれる場所といえば、そう水族館です(断言。
水中を踊る色鮮やかなお魚、神秘的に漂うクラゲ、アクティブに動きまわるイルカ、水族館にいる水の生き物たちは、私達に癒やしと感動を与えてくれます(超断言。
実は水族館大国な日本
日本にはどのくらい水族館があるかご存じですか?
現在、日本動物園水族館協会(JAZA)に登録している水族館は64館。
登録していない施設を含めると100館を超えます。
これは、世界中の水族館の2割を占め、日本は世界を代表する水族館大国なのです。
水族館の4つの使命
JAZAに登録されている水族館には、4つの使命があります。
1. 希少生物を守る”種の保全”
2. 生き物がどのように生活するのかを知る”教育・環境教育”
3. 生きた生物を展示するための”調査・研究”
4. お客さんたちの交流の場を提供する”レクレーション”
わたし研究者なので、今回は”調査・研究”に的をしぼり、いくつかの水族館を「研究する水族館」と題し紹介していくことにしました。
研究する水族館
水族館は、 野生の生き物たちの数を減らさないために、飼育している生き物を長期間飼育するための生態研究と繁殖の研究をしています。
そのスタイルは様々で、水族館独自で研究しているところもあれば、大学とコラボして研究していたり、研究者にサンプルを提供したりなど水族館によって異なります。
実際、私も水族館とコラボ研究をした一人です。
例えば私の場合、のとじま水族館で毎月クラゲの調査をする場所やクラゲそのものの提供をしてもらっていました。
ここで、大事なのが研究者と水族館の間でお互いの利益が一致しているという点です。
研究者は、研究ネタやフィールドを水族館から提供してもらえる。
水族館は、多忙な業務でなかなか得られない新知見を得られる。その結果、生き物の飼育がより良くなる。生き物の魅力をお客さんに伝えるツールを得られる、といった利点があります。
つまり、ちゃんとお互いの利益さえ一致していれば、水族館は研究者にとってとても強い味方になるわけです。
海洋生物や水生生物の研究者だけでなく、水槽の設計や水族館に関わる様々の器具、環境システムをデザインする理論系の研究者などにも是非是非水族館を活用して貰えればいいなと考えています。
生物系の方は水族館を訪れるときに工学系の人も一緒に連れて行って、是非こんな利用の仕方を紹介してくれればいいなと思います。
次回は、実際に水族館がどのように研究に対してアプローチしているのかじっくり紹介していきたいと思います。
きっと、水族館を見る目がかわるはずです。
乞うご期待