【国際教育はじめませんか?】当たり前を揺るがすことで、 学生の世界を広げる(vol.23)
<国際教育はじめませんか?>
当たり前を揺るがすことで、 学生の世界を広げる
敬愛大学 国際学部こども学科
山本 陽子 先生
現代の学生は自分の置かれている環境を素直に受け入れ、指示に従うことに慣れてしまっている。今回の海外スクーリングの主軸は「異なる環境で生まれ育った人たちとの出会い」。その出会いを通して、今までの「当たり前」を揺るがしたい。研修を担当した山本陽子先生の思いと共に、2011年10月、シンガポールで4日間にわたる海外研修は開催された。
実体験をシンガポールの子供たちに伝える
研修に参加したのは、国際学部こども学科の学生10 名。参加者の多くは将来学校の先生を目指す。その彼らにとって、2 日目の現地中学校の訪問は1つのハイライトだった。ここでの訪問目的は、英語の授業の見学と、同年3月に起きた東日本大震災について子どもたちに英語で発表すること。「東日本大震災は、私たちにとって日常が一瞬にして覆されてしまう危うさや当たり前のことがいかに大切なことであるかを実感させる出来事でした。千葉県でも大きな揺れがあり、学生がアルバイトをしているディズニーランドで地面が陥没してしまう被害もありました。その体験を海外の子どもたちへ伝えるということは、自分たちの考え方を見直すよいきっかけになると思ったのです。」と山本先生。
始めは自分たちの英語力で伝えたいことを思うように伝えることができるのか不安でいっぱいでしたと振り返る学生。事前にどんな内容をどのように発表したらいいかディスカッションをしたり、学内の英語の先生にスライドや台本の英語の添削をしてもらったりして一生懸命準備した。
必要とされることで、やりきる責任感が生まれた
発表の舞台は、お金持ちが通う学校でも進学校でもなく、普通の子どもたちが通うメイフラワー中学校。 発表当日、100名以上の現地の中学生たちが集まるホールで発表を待っている間、学生たちの緊張が伝わってきた。前日の夜の最終練習の時もなかなか台本から目が離せず、緊張が隠せなかった学生も、本番はみな堂々と発表していた。現地の中学生も、熱心に耳を傾けて学生の話を聞いていたのが印象に残っている。「発表後に『ありがとう』と中学生から直接お礼を言われているグループもあり、学生全員、皆深く感動しているようでした」とほほ笑む先生。発表した学生にとっても、言語のハードルがあることで日本語のコミュニケーションでは気付きにくい、「伝えたいことをまとめる難しさ」を改めて感じた経験になった。
未知との出会いから世界は広がる
今回の研修では、メイフラワー中学校訪問の他に、シンガポールワタミの社長の講演、2つの大学に訪問して大学生と交流するなど、様々な出会いと経験があった。「千葉は都心にも近く、気候も穏やかで、本学学生は留学生以外ほとんどが県内出身者です。成田空港や東京ディズニーランドなど国際的に活躍できる環境もあり、多くが県内就職を希望しています。学生の時期に異なる文化を実感できたことは教員を希望する学生の貴重な経験となったと思います」と山本先生。今回の滞在で得られた発見が他の国にも詰まっているのだと思うと、新たな国を旅することも悪くないと思いました、と振り返る参加学生。研修から3年たった今年、この研修を体験した学生は皆卒業し、社会での第一歩を踏み出した。
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