【教育応援企業活動レポート 株式会社ロジム】精一杯チャレンジできる場所を作ること、それが生徒の成長を促進する②

【教育応援企業活動レポート 株式会社ロジム】精一杯チャレンジできる場所を作ること、それが生徒の成長を促進する②

2020年を目標にサイエンスとダイバーシティをキーワードに設立される新しい学校International School of Science(ISS)。そのコンセプトを体現する7日間のサマースクールが8月3日~8月9日まで、横須賀リサーチパークで開催された。 本編はそのサマースクールのレポート第2回。

【教育応援企業活動レポート 株式会社ロジム】精一杯チャレンジできる場所を作ること、それが生徒の成長を促進する①はこちら。

フィリピンにおけるグローバル教育の背景

午後のプレゼンテーション開始前に、今回のサマースクールへフィリピンから5人の生徒を引率してきたフィリピン・サイエンス・ハイスクールのハロルド先生へお話を伺った。「今回、この企画を紹介されたとき、僕の生徒にとって、海外で自分の実力を確かめる、もしくはなんの努力が必要なのかを知る良い機会になると思いました」。フィリピンでは、近年、生徒のグローバル教育において課題意識が高まっている。国内の活性化のためにも、グローバル教育に国レベルで大きな予算がついているそうだ。「語学面では問題がないのに、海外へ目を向ける生徒は少ないのです。自分たちの能力が、海外の生徒と比べてどれ程度なのかを知る機会が少なく、優秀な生徒でも、卒業後も国内にとどまることが多いんです。それが少しずつでも変わって欲しいと思っています。」とハロルド先生。日本人生徒にとって、英語力が大きなハードルとなることはよく言われる。けれど、語学力で問題がなくとも、海外との交流の機会が少ないと、留学を選択肢の一つとして考えることは難しくなってくるようだ。

写真:フィリピン・サイエンス・ハイスクールのハロルド先生写真:フィリピン・サイエンス・ハイスクールのハロルド先生

いよいよ皆の前でプレゼンテーション!

プレゼンテーション開始前、会場には、参加者の家族や関係者が続々と集まってきた。開始時間を今か今かと待つ生徒に、緊張感が高まる。直前まで、プレゼン会場のロビーや、駐車場でメモ片手にプレゼンの練習をする生徒もいた。いざ、発表!ライトアップされた壇上に、チームが次々に登壇する。パワーポイントを駆使し、壇上を動き回りながら聴衆の注意を惹きながら発表をする。プレゼンテーションに演劇を組み込んだり、デモンストレーションをしたり、どの発表も皆、一生懸命準備をした様子が伺われる。「高校生でこんなにできるんだ。私が高校生の時は、絶対できなかった・・・」私の率直な感想だった。

SONY DSC

 

写真:いよいよプレゼンテーションがスタート!
SONY DSC写真:寸劇を取り入れながらプレゼンテーションをする様子

 

日本人生徒と海外の生徒、それぞれに気付きがあった

「やっぱりプレゼンテーションが一番難しかった」

そう教えてくれたのは、日本の一般の高校からサマースクールに参加した竹内蒼空くんと曽屋裕介くん。インターナショナルスクールからの参加者が大半を占めた日本人の参加者の中で、5人、一般の高校から参加した生徒たちがいた。竹内くんと曽屋くんに、このスクールに参加して一番良かったことは?と聞いたところ、「日常に英語を使えたこと」と答えた。学校の授業では英語を学ぶけれど、食事中や休み時間など授業以外の時間に英語を使うことはない。けれど、このサマースクールでは、朝起きてから寝るまで終始英語。よく考えると、アカデミックな場面以外で英語を使うことは、海外へ行かない限り、実はなかなか経験できないことだと気づかされた。

SONY DSC

写真:竹内蒼空くんと曽屋裕介くん

フィリピン人のチャールズくんにとっても、最後のプレゼンテーションが一番難しいと感じたことだった。「僕は、プレゼンテーションがすごく苦手なんです。いつも緊張してしまうし。でも、今日は、話し始めた瞬間、緊張がなくなった。堂々とプレゼンできました」と興奮気味に話してくれた。成功体験が、何よりも彼の自信につながっているようだ。

SONY DSC

 

写真:フィリピン人のチャールズくん

今回、このサマースクールを見学して、やはり精一杯チャレンジできる環境を作ることが、生徒にとっての成長の機会につながると再確認した。ハードルは少々高くても、それをサポートする環境があれば、生徒たちは自分を高めることができる。もちろん、海外へ生徒を連れて行ったりすることは、いろいろなハードルがあると思うが、英語のプレゼンテーションの機会をもっと多くもったり、留学生との蜜な交流の場を作ってあげることが、日本人の生徒にとって、もっと自分に自信を持つ良い機会になるのかもしれない。