二つのアイランドに探究の旅へ出よう
アイランド‐島‐水で囲まれた陸地。独自の文化を有する場所。
山脇学園の敷地には、2つのアイランドがある。その名もイングリッシュアイランド(EI)とサイエンスアイランド(SI)。その2つの島の中では、通常授業とは全く異なるプログラムが行われていた。
お話しを聞いた人:
山脇学園 入試広報部部長 西川 史子
Science Island Manager 小高 暢子
設備はある、そこで何をやるか
2009年、山脇学園短期大学の閉鎖に伴い、学園内に2つ新しい学習棟ができる。語学力と探究心を養うという目的で、一棟は英語用、もう一棟はサイエンス教育に使うことが決まった。その施設をどのように使うか、直ちに教員チームが形成され、教育コンテンツを作るミッションがスタートした。「まずは名刺を作ってもらい、科学館へ出向き話を聞いたり、企業や大学へ行って相談したり、情報収集から始めました。」立ち上げチームメンバーの一員で、SIのマネージャーを務める小高先生は振り返る。SIでの目標は、とにかく生徒の興味に基づいて本格的な研究活動を行うこと。それには、多様なテーマを扱う必要がある。実際に、中学3年生が希望制で参加する「科学研究チャレンジプログラム」では、ロボットやコンピューターを扱う技術系から、ミドリムシやプラナリアを使った生命科学などの多様なテーマの研究が行われている。
大切なのは、生徒の背中を押してあげること
「日々、勉強ですね。生徒に質問されても、答えられないことが大半です。答えのない問いを探求しているわけですからね。」と小高先生は語る。今年、SIの生徒が森林学会へ初めて参加、ポスター発表を経験した。学会で発表することが初めてだったので、最初は本当に緊張して上手く話せなかった。しかし、他の研究者に研究発表をする中で、1日の終わりには随分と発表も上手になり、ぐんと成長したそうだ。その成長を目の当たりにして感じたこと、それは「怖くても1歩踏み出すことが、生徒の大きな成長に繋がる」ということだった。「生徒はどうすれば次のステップに進めるか知らないことが多い。そこで外の世界と生徒を橋渡ししてあげることが教員の役割だと思うのです。そして、チャレンジすることに戸惑っている生徒がいたらぐいっと押し出すことですね」と小高先生。
学校が通路になって、外の世界へ足を踏み出してほしい
「SIやEIの取り組みは、部活動と同じように生徒が自ら選んで活動します。このように選択する機会を多く用意することで、それぞれの個性を生かしてほしい、それが私たちの想いです。」と西川先生は語る。SIとEIのひとつの結果は輝いている生徒が増えたことだ。女子生徒は、自分の興味関心を主張しないことが多い。しかしこの取り組みを行ってから、多くの生徒が、それぞれ自分の得意なことを肯定的に考えられるようになったと感じる。そして、学業の部分でも変化が出てきた。以前は少数だった理系進学も、いまではほぼ半数が理系進学を希望し、偏差値も改革前と比べると5も上がった。2011年に始まったSIとEIの取り組みは今年で5年目。取り組みを継続することで、教員にも経験値がたまり、プログラムが発展してきている。今後の山脇学園からますます目が離せない。
【学校情報】
山脇学園
〒107-8371
東京都港区赤坂4-10-36
TEL: 03-3585-3911~3
website: http://www.yamawaki.ed.jp/
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取材ご希望の学校は、下記までご連絡をお願いいたします。
リバネス 国際開発事業部 [email protected] 担当:前田
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