6月16日(土)東京都立小山台高等学校でDNAの抽出・鑑定実験教室を実施しました
様々な場所に咲いている身近な植物たんぽぽに、種類があるのをあなたは知っていますか。日本に生息するたんぽぽは、カントウタンポポに代表される在来種だけでも18種類あり、また、セイヨウタンポポのような外来種も自生しています。
カントウタンポポとセイヨウタンポポの違いは、花を包むガクの形に良く現れています。いざ観察のため実際に採取して観察してみると、成長具合によってはどちらか違いが見分けにくいものもあります。
しかし、生物学の知識を使うことでそれらを見分けることができるのです。着目するのは生物の設計図であるDNA。DNAは「A」「T」「G」「C」という4つの文字で表現される塩基対の連なりで構成され、その配列の違いが種の違いとなって現れます。
今回の実験教室では、DNAの配列の違いを調べることによって種類を特定できることを学び、身の回りに生えているたんぽぽの種別の分布図を作成することに挑戦しました。
まず、そもそもDNAとはどういうものなのか、自分の口内から細胞を取り出し、DNAを抽出して、まず自分の設計図であるDNAを観察しました。次に、ある敷地内のたんぽぽの分布地図を作成することを目的として、まだ調べられていないタンポポから抽出したDNA溶液を制限酵素を用いて鑑定し、結果を考察しました。その結果を元にたんぽぽの分布地図を完成させました。実験中、研究者が実際に使用している器具であるマイクロピペットを使う場面では、慣れない操作に緊張する中、操作を終えると各班からは自然と拍手が起こるなど、実験を進めていくにつれて盛り上がりを見せ、最後に電気泳動の結果、DNAがバンドとして見えた瞬間には驚きの声が上がっていました。
実験パートの締めくくりとして、大学院でロボット工学を専攻している講師が、なぜロボットの研究に挑戦しているのかを話し、将来の選択をするとき、得意かどうかだけで判断するのではなく、自分の好きな気持ちを軸に考えることもできるということをお伝えしました。
実験パートの終了後には、実験教室を担当した6人の研究者との交流会を行いました。
まず、それぞれの研究内容と研究を始めたきっかけ、生徒と話したいキーワードなどのプレゼンテーションを行いました。次に、研究者2人ずつの3グループに分かれ、生徒それぞれが話を聞きたい研究者のグループに集まり、研究の話を聞いたり、大学生活に関して質問したりと、活発な交流が行われました。
参加した生徒からは、
・たんぽぽという身近なものを突き詰めると奥深いというのが興味深かった
・DNAとか小さすぎて別世界の話だと思っていたけど、本当にこの世界にDNAがあることを実感した
・分からなかったことが分かった瞬間、新たな発見ができたことがちょっと面白かった
・自分も好きなことを研究したいと思った
・自分の興味のある分野以外も聞けてよかった
といった感想が寄せられました。
【概要】
日時:6月16日(土) 13時〜16時
場所:小山台高等学校
対象:高校3年生生物選択者 30名
内容:DNAの抽出・鑑定実験教室
<本件に関するお問い合わせ>
株式会社リバネス
教育開発事業部
担当:岸本
メールアドレス:[email protected]
TEL:03-5227-4198
本実験教室は教育応援プロジェクトの一環として実施しています
教育応援プロジェクトについて:https://lne.st/pf/tceer/