【7/26(金)・27(土)】宇都宮短期大学附属高等学校にて、浮体式洋上風力発電の出前実験教室を行いました

【7/26(金)・27(土)】宇都宮短期大学附属高等学校にて、浮体式洋上風力発電の出前実験教室を行いました

株式会社リバネスは宇都宮短期大学附属高等学校(栃木県宇都宮市)にて、2019年7月26日(金)・27日(土)の2日間で出前実験教室を実施しました。本実験教室には、高校1年生85名が参加しました。エンジニアリング分野で現在開発が進められている浮体式洋上風力発電の模型の製作を通じて、最先端の発電技術と開発の背景にあるサイエンスについて学べるとともに、技術開発には絶対的な「正解」は定められておらず、自ら目的を定めて取り組む必要があることを体験できる内容となりました。

実験教室1日目は、講師からの「人の幸せは多様であるはずだ。技術開発を通して、人々の幸せを考え、実現していこう」という問いかけから始まりました。電力不足を課題とする架空の島を設定し、島国において特に有効な発電技術とされる浮体式洋上風力発電の開発・導入を通じて、「島の電力不足を解消し、島の住民の幸せを実現する」ことを2日間のミッションに掲げました。チーム対抗のコンテストで上位となり、島への技術導入を各チームで目指しました。

開発に先立ち、8人または9人の1組のチームで、技術開発を通じて実現したい島の未来像「ビジョン」を決定するワークを行いました。技術開発で人々の幸せを実現するには、導入先の地域住民や環境を考慮したうえで、どのような課題解決を行い、いかなる未来像を実現するのかを軸として定める必要があります。漁場の保全を訴える漁師や、発電量の増加を期待するビジネスマンなど、さまざまな島民の声を考慮した上で、各チームのビジョンを設定しました。

<ビジョンの例>
・経済の発展に伴う、島民人口の増加と観光業の発展
・子育てしやすい環境にする
・経済的にも精神的にも充実した島にする
浮体式洋上風力発電の開発には、発電量はもちろん、材料コストや、環境や漁業・海運に影響する海上占有面積、波や風の影響など、様々な要件を検討する必要があります。最低限の性能は確保したうえで、ビジョンに照らしてどういった要件を重視するかをチームで検討したうえで開発を進めました。

 

 

浮体の開発では、各チーム内で協力して浮体の大きさやおもりの位置、波を受け流す形状などが検討されていました。開発の鍵となるサイエンス(浮力・重心・浮心・復原力など)もスタッフから伝え、闇雲な試行錯誤ではなく、理屈を踏まえた開発が進められていたチームも多くありました。

2日目には、浮体を完成させるととともに、各チームのビジョンと開発の工夫を英語でプレゼンテーションする機会を設けました。限られた準備時間ではありましたが、各チーム工夫を凝らしたプレゼンテーションが行われており、技術導入の際には技術的な性能のみならず、その工夫を適切に伝えることと、導入の暁に実現される未来像を伝えることも大切であることを体験できる機会となりました。

 

 

2日目の午後には、本実験教室のクライマックスとなる、開発した浮体の性能をプールでテストする実証試験を行いました。制限時間内の発電量と浮体の安定性を、波や風の起こるプールで競いました。1日目の終わりにもその時点での浮体を用いてプレテストを行いましたが、そのときにはそもそも浮かばなかったり、波が発生した途端に倒れるチームが続出していました。しかし、2日目の実証試験では、ほとんどのチームが制限時間の終わりまで浮体が安定し続けており、1日目の結果を開発に活かすことができていた様子がうかがえました。

 

 

実験教室の最後にはコンテストでの各チームの検討をたたえつつ、多様な意見を持つ人々が住む島の幸せを実現するには、絶対的な正解が存在しないことと、そのなかで技術開発を進めるためには、自分たちが目指す目的(=ビジョン)を定める必要があることを、2日間の取り組みを振り返りながら考えました。

参加した生徒からは、以下のような声が寄せられました。
・日頃から疑問に思っていることを、自分でも少しずつ調べてみたり、研究したりしてみたいと思いました。
・自分で目的を決めることが大事なのだと思った。
・開発することの面白さがわかって、浮力などの計算をして数学的に考えられるようになりたい。
・自分には工学分野は向いていないと思っていたが、相手のことを考えてどうしたら幸せになってくれるかを考えることが楽しかった

・研究職には興味がなかったが、興味が湧いてきた
・何かを達成するために考えることの延長線上に、研究や開発があるんだなと思いました。
・みんなと協力しながら、アイデアを出し合って浮体をつくっていくのが楽しかった
・科学で社会的な問題を解決することができることを知り、おもしろいと思った。
リバネスでは、最先端の科学やものづくりのアイデアを用いた実験教室を様々な学校や学年を対象に実施しております。ご興味のある方は下記問い合わせ先までご連絡ください。

 

【本件に関するお問い合わせ】
株式会社リバネス 河嶋・花里
メールアドレス:[email protected]
TEL:03-5227-4198

【本実験教室概要】
日時:2019年7月26日(金)・27日(土) 両日ともに9:00-15:30の時間帯に実施
場所:宇都宮短期大学附属中学校・高等学校
対象:高校1年生 85名
実施テーマ:浮体式洋上風力発電機の模型の開発・コンテスト