聖光学院中学校・高等学校で「不可能立体」がテーマの出前研究教室を実施しました

聖光学院中学校・高等学校で「不可能立体」がテーマの出前研究教室を実施しました

株式会社リバネスにおいて、2019年2月2日に実験教室を実施しました。今回の教室は、聖光学院中学校・高等学校(学校長 工藤 誠一)中学1年生から高校1年生、希望者32名を対象に、「不可能立体」というテーマで実施しました。

この出前研究教室は、数学や心理学といった「目に見えないもの」を対象とする学問・領域で、いかにして「身近な不思議を興味に変えることができるのか」という命題に対して、「錯覚という現象を起点に、見えないものを見える形として表現できるのではないか」という仮説のもと、実施されました。
本教室では、参加した32名の中学生に対して、錯視・だまし絵の一種である「不可能立体」をテーマに実施しました。
まず、これまであまり意識することのない「視る」という行為のメカニズムを、錯視図形を作ることで学びました。また、そのメカニズムを逆手に取った錯覚のテクニックを学び、見え方をコントロールする方法を身につけました。その過程において、学校の授業で学ぶ数学の「方程式」や「ベクトル」が設計する上で有用であることも伝えました。

本教室の後半では、それぞれ班ごとに個室に移動し、前半で身につけた「視る」メカニズムの知識と応用テクニックを駆使して、オリジナル「不可能立体」の製作を行いました。

本教室の終盤では、それぞれが製作した「不可能立体」の展示を行いました。参加者全員で展示をめぐり、製作班から工夫した点や設計のポイントの解説を受けました。それぞれ全く異なる「不可能立体」が作られ、多くの生徒を驚かせていました。

本教室の最後には、講師から自身の経験に基づいて「学びを通して世界を知り、新しい驚きを届けいよう!」というメッセージを通して、今回製作した「不可能立体」を通して参加生徒を驚かせたように、目的を達成するために学ぶことが重要であることを伝えました。
今回の教室では、「不可能立体」という自分の身体で起こる不思議な体験の伴うものづくりを行いました。これにより、数学や心理学が社会でどのように活かされているのか、また、普段何気なく行っている「視る」行為にどれだけ不思議があるのかについて、新たな視点や考え方を伝えました。

〔参加した生徒の感想〕
● 座標はものを作る時に使えると分かった。
● 錯覚にはあまり興味がなかったが、今回の授業で錯視だけでなく、他のことも知りたくなった。
● 物の見えていない点を決めつけないようにしたい。
● なぜトリックが成立するか考えたり、実際にそれを作ってみたりし、とてもたのしかった。
● 当たり前のものをじっくり観察してみたい。

〔参加したスタッフの感想〕
普段、私たちは「視る」という行為を当たり前のように行っていますが、そのメカニズムはまだ解明されていません。「不可能立体」をはじめとした錯覚現象はその当たり前を不思議に変える題材として非常に興味深いと感じ、出前研究教室を企画しました。生徒の感想を聞くと、当たり前を疑う姿勢と視野の広がりを持つことができた生徒の多さに気が付きました。
学ぶ意義を見失いがちな数学や、大学にならないと学ぶことのない心理学、そこにものづくりの要素を付け加えて、人に驚きを与える。この教室にはあらゆる要素が含まれているので、ぜひ多くの人に体験してほしいと思います。このような教室を通して、これからも学校の中の学びが社会のいたるところにつながる瞬間を創出してきます。

【概要】
日時:2019年2月2日(土) 13時〜17時
場所:株式会社リバネス 知識創業研究センター セミナールーム(新宿区下宮比町1-4飯田橋御幸ビル4階)
対象:聖光学院中学校・高等学校の生徒32名
内容:人の視覚の特徴を体験する実験と、不可能立体の製作