2020年ご挨拶
2020年令和最初のご挨拶となります。
2019年末、NewsPicksの取材で、私はマチュアグロースという概念を提唱しました。地球上の限りある資源を取り合う活動を続ければ、格差が広がることは自明であり、その資源に依存した経済成長はいずれ破綻します。日本のようにマチュアになった世界では、「豊かさ」の概念をアップデートし、資源を循環させる共生型の社会を形成しなければ成り立たなくなるのです。我々はすでに経済的な意味での豊かさが幸せに直結しないことに気づいています。GDPという指標ではなく、感性を通じた心の豊かさを成長させ、幸せの総和を拡大していくことこそがグロースである、という概念に変わっていくのです。しかし、その価値計測はロジックだけでは片付けられません。決まり事を作り続けると魅力を失い、一定のルールがないと崩壊する。すなわち、ロジカルに物事を進める面と、感覚的かつ直感的な面双方の絶妙なバランスの中で成り立つものなのです。
リバネスの「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念を中心に、さまざまな機能を持ったコロニー(地方自治体、学校、大学、企業、ベンチャー群)が活性化する生態系を作り上げるためには、私たち自身が自ら築いた知識プラットフォームの利用価値、利用方法を高める必要があります。
2019年は「真骨頂を発揮する」をテーマに掲げ、祖業である次世代教育から、人材育成、研究開発、そして新たな技術を開花させる創業応援に至る一連の流れの中で、自らの強みを見つめ直し、研ぎ澄ませてきました。
2019年挨拶:https://lne.st/2019/01/26/newyear/
そして、今年のテーマは、「知識プラットフォームのアップデート」
骨の形がリバネスのメンバー全員で確認できたからこそ、無駄な部分を削ぎ落とし、さらなる強固な肉付けが可能となります。リバネスの知識プラットフォームのアップデートを行うことで、さらに大きな地球貢献ができるようになります。
いよいよ2030年に向けた2年間の構想段階を終え、今年から実行段階に移ります。
2018年より東京本社に加えて大阪本社を設置、海外のベンチャーを接続し、日本の技術を世界に広げる「インバウンドグローバライゼイション」は、東南アジア・アメリカ・イギリスとの連携が進み、次の12年のための知識プラットフォームの骨格が整いました。そして今年、確実に持続可能なインバウンドグローバライゼイションの形ができあがります。この知識インフラを活用したエコシステムを東京と大阪を起点に同時につくれるのは、リバネスだけだと確信しています。知識プラットフォームのアップデートをロジカルに進める反面、感覚的・直感的にできるだけ早く動いてみる、試してみることを繰り返し、暗黙知を暗黙知のまま継代していくことで、新しい組織構造への変化を促していきます。
そのためには、個々人が目の前の小さなリーダーシップを発揮し、小さな活動を積み重ね、その総和が世界を動かすうねりを作り出すという意識を高めていかなければなりません。そして、小さなリーダーシップを回し続け、仕掛けることが、マチュアグロースの世界における人の幸福度をあげ、点が繋がり面となり、やがてビジネスの世界にも広がっていくのです。
オリンピックイヤーでもある2020年は、日本の景気の行末が不透明だからこそ、マチュアグロースの概念が徐々に社会に広まっていく年になります。変化の早い時代だからこそ、我々リバネスは計画を綿密に立てる事はせず、目の前の課題を掘り続けています。その積み重ねで世界をどう変えるかこそが重要なのです。まさに、リバネスを広げることが、マチュアグロースの概念を広げることに他ならないと考えています。
変化に対応し続け、新しい価値を最大限に生み出すために、リバネスグループは「世界で最も効果的な知識製造を行う企業群となる」をミッションとして進んでいきます。
2020年1月31日
株式会社リバネス
代表取締役 グループCEO
丸幸弘