• HOME
  • リバネス、日本財団らで推進する「プロジェクト・イッカク」に参画する天の技が、複数衛星の同時画像解析によるモーリシャス重油流出状況の観測に成功

リバネス、日本財団らで推進する「プロジェクト・イッカク」に参画する天の技が、複数衛星の同時画像解析によるモーリシャス重油流出状況の観測に成功

リバネス、日本財団らで推進する「プロジェクト・イッカク」に参画する天の技が、複数衛星の同時画像解析によるモーリシャス重油流出状況の観測に成功

株式会社リバネス(代表取締役 グループCEO:丸幸弘)は、日本財団、一般社団法人日本先端科学技術教育人材研究開発機構 (JASTO)で共同実施する「プロジェクト・イッカク」で、海洋ごみ削減とビジネス創出を目指し、ベンチャー企業や研究者から成るプロジェクトチームとともに2019年12月から研究開発を推進しております。

この度、プロジェクチーム「Debris Watchers」のリーダーである株式会社天の技 (代表取締役:工藤裕)は、海洋ごみ・海洋汚染モニタリング事業の一環として開発していた複数衛星画像を同時解析する手法を用いて、モーリシャス重油流出事故現場を調査したところ、事故後の鮮明な画像と周辺状況について日本初の観測結果が得られました。今後も様々な衛星を用いた重油流出状況や漂着監視技術の開発に取り組み、事故現場の状況把握に貢献していきます。

以下、株式会社天の技からの発表を転載いたします。

背景|弊社はプロジェクト・イッカクにおいて、複数の衛星画像を用いた海岸漂着ごみモニタリング技術を構築しています。本事故の発生を受けて、衛星4基が撮影した画像を解析したところ、鮮明な画像が得られました。本手法を活用し、今後も重油拡散状況の解析結果等を迅速に関係者に共有することで、本事故の状況把握に貢献するとともに、新たな知見を得ながら、海洋ごみの観測・診断システムの確立を進めていきます。

現在の状況|世界最高の撮影分解能を持つMaxar社WorldViewシリーズや、多数の衛星連携により現状世界で最も迅速なSAR画像サービスを提供しているICEYE社のSAR衛星等のデータ利用に関する契約を締結済みです。弊社はプロジェクト・イッカクの元、6つの企業、2つの大学で構成されるチーム「Debris Watchers」のリーダーを務め、各衛星画像の特性に応じた解析方法の検討を元々進めていたこともあり、その知見を生かして2020年8月における重油の拡散状況の推定を実施しております。

今後の方針|引き続き解析とデータ収集を行い、近日中に最新の情報へアップデートし、公開する予定です。また、プロジェクト・イッカクの関係各社や、本件への対応を検討している団体などと協力関係を構築し、本事故への環境への影響解明や、早急な回復へ貢献することを目指します。

◆今回の解析事例

SecureWatch © 2020 Maxar Technologies

△ 2020/8/8 時点の可視光画像での様子

Image © 2020 ICEYE Oy

△ 2020/8/6時点のSAR画像 可視光画像と比較し、座礁した船舶から重油流出が広範に広がっていることが見て取れる

(左) ©EU Copernicus Sentinel data 2020  (右) Image © 2020 ICEYE Oy

△ 2020/8/22(左)及び8/25(右)時点のSAR画像 船舶前半が撤去。最新の状況では、高分解能なICEYE社の画像によると、オイルフェンスにより、海岸への重油漂着を抑止していることが分かる


△ ICEYE社SAR画像に対して様々な手法を使って解析中。SAR画像の特性上、黒い部分が重油とは限らず、その確定はかなり慎重であるべきであり、重油か否かを厳密に確定するには、様々な観点で総合的な評価を実施する必要がある。上図は8/6の画像から重油(赤)、陸地(紫)、内海(緑)、外海(青)等を推定した様子。

—引用終—

リバネスは、引き続きプロジェクト・イッカクの各機関と共に海ごみモニタリング手法の開発とビジネス化に向けて、連携をとっていきます。

◆プロジェクト・イッカクについて https://ikkaku.lne.st/
この取り組みは日本財団、一般社団法人日本先端科学技術教育人材研究開発機構 (JASTO)、株式会社リバネスが共同実施する「プロジェクト・イッカク」の一環で実施するものです。本プロジェクトは、海洋ごみ削減とビジネス創出を同時に実現する事業モデル構築を目指し、ベンチャー企業を中心とした超異分野チームを組成して推進しています

◆Debris Watchersについて 
海洋ごみ、特に漂着ごみの分布や種別情報は、その回収装置や計画を開発、検討するために重要になると考えます。そこで沿岸部のゴミ漂着状況を、衛星、ドローン及び定点観測装置等を用いた、長期・網羅的な観測及び詳細分析が可能な海ごみ診断システムの開発を行います。将来的には、地球レベルでの効率的なゴミ回収・漂着予測の実現も目指します。

◆株式会社天の技 について 
宇宙機器、造形装置、映像・音響機器等の精密機械器具に関する設計開発・試作販売、データ解析・可視化技術の研究開発およびソフトウェアの開発と販売、教育事業を行っています。

◆リバネスについて https://lne.st/
2002年、理工系の15人の大学院生によって「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念のもと設立されました。以来、科学教育・人材育成・研究開発・新規事業の創出に重点を置き、世界中のパートナー企業・公的機関と300を超える多角的なプロジェクトに取り組んでいます。リバネスグループでは、地球規模の課題解決に向けて、「世界で最も効果的な知識製造を行う企業群となる」をミッションに掲げ、人類が生み出す知識や技術を組み合わせて新たな知識を創造する「知識製造業」を営んでいます。

<本件に関するお問合せ先>
株式会社リバネス 篠澤・長・内田
TEL:03-5227-4198  FAX:03-5227-4199
E-mail:[email protected]