2021.07.01 Thu

【実施報告】第一回地域産業創出セミナー「板金加工企業が革新的設計技術のスタートアップと仕掛ける新規事業とは」を実施しました

2021年6月24日、関東経済産業局委託事業である「中堅・中小企業とスタートアップの連携による価値創造チャレンジ事業」における「地域産業創出セミナー」の第一回を実施しました。当日は、全国の地域中堅・中小企業の他、大企業や自治体、地域金融機関、スタートアップの方々が約100名が参加しました。

※中堅・中小企業とスタートアップの連携による価値創造チャレンジ事業について（関東経済産業局HPへ）

はじめに、関東経済産業局産業部長勝本光久氏よりご挨拶、ならびに関東経済産業局製造産業課総括係長渡邉亨氏より「両利き経営」の実践やバリューチェーン構築などのキーワードに言及しながら本事業の趣旨について、説明がありました。

　その後「板金加工企業が革新的設計技術のスタートアップと仕掛ける新規事業とは」と題したトークセッションを開始。まずは、自動車を中心として様々な板金加工を手掛ける群馬県の中堅企業「株式会社浅野」の取締役浅野圭祐氏から、創業期からの事業拡大と、近年の新規事業開発への取り組み、そして今回のスタートアップとの連携で感じたことなどについて紹介いただきました。続いて、革新的設計技術「DFM(Direct Functional Modeling)」を有する東京大学発スタートアップ「Nature Architects株式会社」の代表取締役大嶋泰介氏からは、DFMで生まれた新たなプロダクトの事例や、浅野との連携で試作した、鉄板から折り紙のように作れるイスについて紹介がありました。トークセッションでは、浅野氏に連携へ向けた社内調整や、社内の反応など伺ったところ、「父親である社長に、どうしてもやりたい想いや背景を直接プレゼンすることで、即決済がおりました」と、オーナー企業ならではの意見が聞かれました。また、「実は、過去に新聞に掲載された事がほぼなくて、社員家族や、お客様から大きな反響がありました。」など、連携による副次的な効果にも言及されました。また、大嶋氏は、「打ち合わせ時からPoC実施への本気度が高く、実際早いスピードで進んだ」と、中堅企業との連携へ新たな手応えを感じたようでした。

さらに、オンライン質問ツール Slidoには「事業として売上につながる想定はあったか」といった突っ込んだ質問も寄せられ、浅野氏は「売上は考えていない。まずはやってみることを重視した。ただ、その結果社内でイスに限らず新しいアイデアがいくつも生まれた。必ずここから事業に繋げていく」という熱のこもった解答もいただきました。今回の「金属加工」に革新的設計技術で新たな可能性を拓いていく連携は、多くの金属加工業者にも波及させられそうで、今後の展開が楽しみです。