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【実施報告】第七回地域産業創出セミナー「デジタル技術による治具設計の半自動化が、町工場のものづくりを加速させる」を実施しました

【実施報告】第七回地域産業創出セミナー「デジタル技術による治具設計の半自動化が、町工場のものづくりを加速させる」を実施しました

 2022年1月28日、関東経済産業局委託事業である「中堅・中小企業とスタートアップの連携による価値創造チャレンジ事業」における「地域産業創出セミナー」の第七回を実施しました。当日は、全国の地域中堅企業の他、大企業や自治体、地域金融機関、スタートアップの方々が約100名参加しました。

※中堅・中小企業とスタートアップの連携による価値創造チャレンジ事業について(関東経済産業局HPへ)

 はじめに、関東経済産業局 産業部 担当次長 久世 尚史氏、関東経済産業局 製造産業課 総括係長である渡邉 亨氏より、「両利きの経営」の実践の重要性やバリューチェーン構築などのキーワードについてお話がありました。また、今回の取り組みに賛同し、本事業終了後も地域産業の成長支援をサポートすることに賛同して下さった15の自治体、金融機関、支援機関の皆様との連携について言及しながら本事業の趣旨について、説明がありました。続いて、本セミナーにて紹介された2社間の連携にご尽力頂いた、公益財団法人 横浜企業経営支援財団(以下、IDEC横浜) 横浜市中小企業支援センター 経営支援部 イノベーション支援担当部長 加藤 盛司氏より、IDEC横浜が行う企業支援を中心とした事業の紹介、本事業に参画した経緯について、紹介して頂きました。

 その後「デジタル技術による治具設計の半自動化が、町工場のものづくりを加速させる」と題したトークセッションを開始。まずは精密部品加工の技術・経験を活かし、世界のものづくりの課題解決や、他の町工場、ベンチャー、研究者と共にアイデアの具現化を支援する「成光精密株式会社」の代表取締役 高満 洋徳氏から、事業内容の紹介、自社の強みである治具に対する想い、スタートアップとの連携に至るまでの経緯について紹介して頂きました。続いて3Dプリンティング技術と既存製造業の調和を目指し、次世代のサプライチェーンを構築することを目指す「株式会社3D Printing Corporation」の取締役CTO 古賀 洋一郎氏から、自社の3Dプリンティング技術を活用し日本のサプライチェーンへ変化をおこしたいという想い、これまで3Dプリンティング技術が製造業へうまく参入できなかった課題感、IDEC横浜経由で成光精密株式会社を紹介してもらった経緯について紹介がありました。

トークセッションでは高満氏より、「治具製造は技術力そのものと言っていいくらい大きなテーマ。製品の品質にも影響するとともに、リードタイムなども考慮するととても時間のかかる行程であること。また、技術習得にも時間がかかり、会社内でも限られた人にしかできない。」といった現場の課題を紹介いただきました。そのため、​​株式会社3D Printing Corporationの技術を活用して、治具製造がより簡易化されるのであれば、日本のものづくり業に革新が起こると思う。だから手を組んだのだと話されました。また、古賀氏からはサービスの概要の説明や、「通常であれば依頼から納品までに1ヶ月程度時間のかかる治具製造を、数日間に圧縮できる」というメリットについてもお話しいただきました。実際に開発しているサービス画面を動かすデモも披露しました。セッションでは町工場とスタートアップが手を組んだことにより生まれた、新たな製造革命の話が盛り上がりました。さらに、地域サポート機関として今回の2社間の連携に尽力し、事情により当日登壇できなかったIDEC横浜 経営支援部 イノベーション支援担当職員 熊田 俊介氏、並びに加藤氏より、本事業に地域サポート機関として参画し感じた3つのメリットとして、キーマンとなる人物に焦点を当てた事業設計の精度、技術者集団による事業ハンドリング、行政のオープンイノベーションの促進の3点があることを、メッセージ動画で熱をもって紹介されました。

さらに、オンライン質問ツール Slidoには「町工場にとって治具を製造する力は会社の技術そのものであると思います。今回の自動化に伴い事業への弊害はないのでしょうか」といった質問が寄せられ、高満氏は「QCDの向上は、日本のものづくり全体を強くすることに繋がり、その1点がとても大切であると感じています。また、今回のサービスは成光精密社が持つが持つ治具のノウハウをベースに作成していますが、しっかりと権利関係を整理し展開すれば、他の製造業者もこれまで以上に沢山の可能性が見えてくる素晴らしいサービスになると考えています。ゆくゆくは、自社内の技術と他社の技術を融合させたりもしてみたいです」。また、古河氏からは「現在は簡単な3種類の治具にしか対応することができていませんが、ゆくゆくは20種類の治具を製造可能とし、最終的には金型まで製造可能とするサービスを作成しています」とコメント頂きました。2社間の既存の製造業に対する課題から生まれた熱い想いをIDEC横浜が汲み取り、スピート間のある事業連携へと発展したことが感じられるセッションとなりました。

左手より、株式会社リバネス 製造開発事業部 長 伸明、株式会社3D Printing Corporation 取締役CTO 古賀 洋一郎 氏、成光精密株式会社 代表取締役 高満 洋徳 氏、公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)経営支援部 イノベーション支援担当部長 加藤 盛司 氏、関東経済産業局 産業部 担当次長 久世 尚史氏、関東経済産業局 製造産業課 総括係長である渡邉 亨氏

 実施後のアンケートでは、「ベンチャー企業、中小企業とそれぞれの技術を持ち寄って新しいモノづくりを行いたい。」、「3Dプリンターは製造業のSCMをガラッと変えるキーテクノロジーであると考えていたが、地域の中堅企業での活用方法として、大変興味深いセミナーでした。」など多数の回答がありました。今後は、回答企業とのオンライン面談を調整し、スタートアップとの連携へ向けた動きを進めてまいります。

本事業に関する問合せ

・株式会社リバネス 地域開発事業部  担当:伊地知 、小玉

・TEL 03 – 5227- 4198  Mail:[email protected]