キャリア継続の新しい両立のカタチ ~キャリア・ライフ・バランスを考える~

キャリア継続の新しい両立のカタチ ~キャリア・ライフ・バランスを考える~

文部科学省委託事業 東京薬科大学 社会人学び直しプログラム
学び直しのためのバイオキャリア講座

仕事と育児のバランス

女性のキャリアプランには、いつも希望と不安が入り混じる。その筆頭が「仕事と育児の両立」ではないだろうか。現在、働く女性の9割が育児中にも仕事の継続を望む。だが、出産を経た半数以上の女性が「子供の幼時期は育児に専念したい」と意識が変化するという。つまり、理想の働き方に「育児中は仕事を休職・退職し、その後仕事に復帰する」ことを望む女性が多い。
けれども、出産・育児と仕事の両立のために社会が用意している選択肢はあまりにも少ない。出産後も働き方を変えず、仕事と育児のどちらも100%の力で走り続けるか、育児をきっかけに仕事を辞め、それまで築いてきたキャリアとはあまり関係のない職にするか。
特に、女性研究者はその選択肢の幅が更に狭まる。実際、育児休暇の後にキャリア継続を叶えるのは困難だ。そこには、研究現場特有の壁が立ちはだかる。例えば、実験がものを言う研究は、仕事場での長時間労働が必須条件だ。これだけでも、子供を抱えた女性の研究復帰が困難を極めることが容易に想像できる。さらに日進月歩する研究の世界では、育児休暇中の知識・スキルの遅れが不安視されることだ。
「ある時は子育てに専念したい、けれどもその後再び働きたい」。こうした気持ちを抱く理系女性の希望に応える支援プログラムが作られた。それが、東京薬科大学の『学び直しのためのバイオキャリア講座』である。この講座では「仕事と育児の新しい両立のカタチ」をサポートする。

育児休暇をスキルアップのチャンスに

『学び直しのためのバイオキャリア講座』の主な対象は、バイオ系の修士・博士課程を修了し、休職・退職後に再就職や転職を希望する女性だ。最大の特徴は、休暇後の仕事継続にもキャリアアップが望めることである。仕事復帰の際、「必要な知識・スキルのアップ」と「研究キャリア人材活躍の職場探し」が大きな課題になる。そうした中でもキャリアアップを可能とする理由は、課題に対する充実のサポート体制にある。講座内容は、(1)座学講座 (2)ラボ実習 (3)インターンシップに加え、講座開始前後にキャリアコンサルティングが実施される。
キャリアコンサルティングによって目標を明確にし、目標に応じて上記3つの講座内容を組み合わせる。定められたプログラムをこなすのではなく、個々の受講生が希望するキャリアに合わせてカリキュラム編成ができるのだ。
実際に幅広い希望を実現する理由は、国内で初めて生命科学科を開設した歴史をもち、この分野のパイオニアとしてバイオ系分野全般の教授や研究室を網羅的に有する東京薬科大学だからだ。受講生のキャリアプランに応じて、30の座学講座から選択的な知識充填、ラボ実習によるスキルアップが可能となる。さらに、本講座のために特別開講された「実務スキル講座」「業界理解講座」により、通常の大学通学だけでは得られない社会人向けの知識向上が期待できる。また、希望者は企業へのインターンシップが可能だ。多様な業務経験が積める他、即戦力としてキャリア人材を求める企業の声を肌で感じることもできるだろう。
全てのプログラムを終えた後、再度キャリアコンサルティングを行い、仕事復帰の際に大きな不安となる再就職を強力にサポートする。受講生が希望する再就職条件と、キャリア人材を求める企業とのマッチングをしていく。