トマト丸ごと、頂きます

野菜エンスとは、日本サブウェイがお送りする、サイエンスで野菜を楽しむコーナー。サブウェイでおなじみのあの野菜、この野菜。普段何気なく食べている野菜について、もう少し知ってみませんか?

みずみずしく真っ赤に熟(う)れた大玉のトマトに,小ぶりでしっかりとしたミニトマト,少し細長い実のイタリアントマト。トマトの品種は世界に8000種類以上あるといわれ,見た目も味も,適した食べ方もさまざまです。ただ,ほとんどに共通するのが「赤い色」。その正体は,豊富に含まれるリコピンという色素です。

リコピンはニンジンなどに含まれるカロテノイドの一種で,炭素原子の二重結合が長くつながった構造を持っています。この長い鎖が太陽の光の中から強いエネルギーを持つ青や緑の光を吸収し,果実をダメージから守っているのです。さらに,守っているのはトマト自身だけではありません。私たちのからだの中に入ってきたあと,皮膚(ひふ)や全身の臓器にめぐることが研究で確かめられています。これらのリコピンは,日焼けや老化,がんの原因となりうる紫外線や活性酸素によるダメージから私たちのDNAやタンパク質を守ってくれます。

では,リコピンをサプリメントにして飲んでいたら,健康を保てるのでしょうか?ところが,そういうわけにはいかなそうです。トマトを食べたときにみられる抗がん作用が,リコピンだけを精製して摂取したときには現れませんでした。どうやら,トマトに含まれる他の物質が一緒に働いているようです。これはトマトジュース,ペースト,ピューレ,ケチャップ,どんなかたちでも同じなのです。

トマトが持つふしぎな力,丸ごといただきましょう。

Reference

野菜のサイエンス「野菜エンス」は日本サブウェイ株式会社の提供です