科学英語を1か月で体得する方法 アルプロス・ソリューションズ株式会社

科学英語を1か月で体得する方法 アルプロス・ソリューションズ株式会社

アルプロス・ソリューションズ株式会社 代表取締役 本間 昌宏 さん

アルプロス・ソリューションズ株式会社 総合英語教育部門 カリュキュラム ディレクター クリス コッターさん

研究を進める際に、科学英語の理解は重要だ。英語論文の読解に始まり、国際学会発表など、様々な研究場面において必要になる。研究を始めたばかりの頃、科学英語を理解したいと切望しても、ただ闇雲に頑張るだけではどうにも上達が遅い。実は、それを打開する鍵があった。イギリス留学経験があり、英語学習に興味のあるスタッフが聞いた。

科学英語特有の難しさ

初めて研究室に配属されたときを思い出した。先行研究を調査しようとしたが、検索のための専門用語の英単語に悩んだ。次に、英語で書いてある論文の概要を読み、それが本当に関連している論文か判断しなければならなかった。当時、電子雑誌はなく、慎重に概要を読んだうえで論文を取り寄せた。まだまだ受難は続き、1つの論文を読むのに何日もかかった。内容が難しいために理解が遅いのか、英語だから難しく感じているのか、あるいはその両方が原因だったのか。研究経験が少ないことが理由であれば、経験を積めば理解できるようになるだろう。しかし、英語が理由であった場合、読む経験を積み、慣れることが問題解決の近道になるとは限らない。この問題を踏まえ、アルプロス・ソリューションズ株式会社では、科学英語の特徴に則した英語学習を推奨している。

どのように勉強していくべきなのか

私自身、科学英語を勉強しようかと悩んだとき、語学学校に通うことを考えたが、英会話やビジネス英語を学ぶことは、英語論文の読解力や、英語の研究セミナー理解力向上には直結しないと感じ、どうしたら良いかわからず焦燥感にかられた。これらを解決するには、何から始めるべきか。論文を読む技術としては、知らない単語があった場合の対処法などがあり、研究セミナーの理解には、ノートの取り方など、実に様々な技術がある。これらの技術を学ぶためにアルプロスでは、まず何をどこまで身につけたいか明確にする。このために、コーディネーターが個々の生徒の能力と興味を測り、カリキュラムディレクターが生徒が必要としている英語技術を見つけ、その技術獲得のためテーラーメイド(オーダーメイド)で具体的なカリキュラムをつくる。このプロセスを通し、初めて自分に何が足りないかを認識し、それを獲得する目標を持つことができるのだ。そのため1か月間という短い期間で、学び方のコツを習得でき、効率的に学べる。この明確な目標が、講座終了後の継続学習につながり、徐々に必要な要素を獲得できる。この方法は数々の企業や大学でも高い評価を受けており、新宿の教室だけでなく、東京理科大学や東京農工大学など、多くの大学に集中講義を提供している。

テーラーメイド英語学習の重要さ

個人の体質に合わせることで、最小の副作用と最大の薬効などを得られるようにしたものを、テーラーメイド薬物療法という。近年、英文法理解力と脳の構造とその個人差がわかってきており、脳科学の観点からもテーラーメイド学習に注目が集まっている。報告によると、文法に関する脳領域の広さは英文法の成績と正の相関関係にあるが、学習の期間とは相関関係が見られなかった※。つまり、長時間勉強してもそれに比例して、英文法ができるようにはならないということだ。そこで、最小の労力で最大の学習効率が得られるように、様々な方法から自分に合った勉強方法を見つけ出すという、テーラーメイド英語学習が有効と考えられる。ここでひと頑張りして、英語の壁を取り除き、脳を発達させ世界で活躍する研究者を目指そうではないか。

※ 名内、酒井による。Human Brain Mapping Vol.30
(11), p.3625-3635 (2009)
筆者:樋口さとみ 九州大学イノベーション人材養成センター所属、学術研究員。奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士前期課程および博士後期課程修了(理学博士)。機能的MRIを使用した脳科学研究に従事していた。