教育の転換の時 〜未来を生き抜くキャリア教育とは?〜

教育の転換の時 〜未来を生き抜くキャリア教育とは?〜

今、学校では「何を教えるか」ではなく、「どのように学ぶか」という学びの姿勢を重視する教育への転換が求められている。リバネスのグローバル研修では、グローバルリーダーの育成に必要だと考えるスキルとマインドを生徒に提示し、成長のための基盤づくりをサポートする。ここでは、この取り組みをいち早く取り入れ実施した、実践女子学園中学校高等学校一般学級(以下実践女子中学)の例を紹介しながらグローバルリーダー育成について考える。

予測不可能な未来に備える

「2011年度に入学した米国小学生の65%は、大学卒業時、今は存在していない職に就くだろう」。米デューク大学の研究者キャシー・デビッドソンさんはニューヨーク・タイムズ紙に研究の内容を語った。この予測に基づくならば、既存の就職観をもとに情報をインプットする教育は、今後通用しなくなるだろう。リバネスでは、グローバルな視点を持つ人材育成に取り組む実践女子中学と協力し、世界に通用する次世代のリーダーを育てる研修プログラムを実施した。

我々が考える「グローバルリーダー」に必要なスキルとは、「自分のアイデンティティーを確立し、世界にある問題や課題を知ること。また、多様な価値観・考え方を許容できること」だ。それらのスキルとマインドを兼ね備えることで初めて、自分がやりたいことの実現に向けて行動できるリーダーとなれる。

課題を見つけ、多様な考えを知る

初回のオリエンテーションでは、留学経験があるスタッフによる講演を通して、目指すリーダー像を共有した。その後、生徒たちは世界の課題を知るために6〜7人の班を作り、医療・農業・人口・インターネットのテーマに分かれ、課題が生まれた背景、これまでの施策について調査を行った。2回目の研修では各自が調べてきたことを元にテーマに潜む課題の根本をディスカッションしながら見つけ出し、その解決策を考えた。最初は言葉数の少なかった子ども達も、自分達で調べてきた内容や意見を徐々に発言できるようになっていった。最後には、各班が意見をまとめて発表を行った。同じテーマでも各班で課題設定における視点や解決策が異なっており、女子中学生らしい視点が加えられているものもあった。本研修を通して生徒らは、普段は話題にあがらない社会テーマについて友人と意見を交わし、多様な考えの中からひとつの結論を出す難しさを経験した。

行動することで、情報を知識へと変換する

研修を終えた彼女らの次のチャレンジは、収集した「情報」を社会に対して実際に発信することだ。何らかの行動を起こすと、周囲からのフィードバックが自分に跳ね返ってくる。その積み重ねで得られた情報は、生きた「知識」として自身の中に蓄積され、自分の興味や、やりたいことを確かなものにするのに役立つ。そうやって、少しずつアイデンティティーを確立し、今度は生徒が自分なりの社会の課題を掘り起して、自ら解決策を探るようになれば、グローバルリーダー育成のサイクルが回り始めたといえるだろう。

本研修を受けた生徒たちは、高校1年生になる来年度、世界を知るために海外研修へ旅立つ予定だ。彼女らがそのときにどのような行動を起こし、情報を自分の知識として変換するのか楽しみだ。

【参加者募集】世界で活躍する次世代を育てる 「未来のグローバルリーダー育成プログラム」