佐倉アカデミア 株式会社常磐植物化学研究所講座「植物の成分を精製しよう!」

佐倉アカデミア 株式会社常磐植物化学研究所講座「植物の成分を精製しよう!」

教育応援プロジェクトにご参加の株式会社常磐植物化学研究所様から、活動報告をいただきました!

[概要]
日時:平成27年7月17日
場所:株式会社常磐植物化学研究所
タイトル:植物の成分を精製しよう!
内容:カンゾウ有効成分グリチルリチン酸をカンゾウ根抽出液から薄層クロマトグラフィーにより分離・検出する体験実習を通じて、植物から特定成分を精製する原理・技術を学ぶ。
対象:高校1・2年生
参加者:千葉県立佐倉高等学校1・2年生23名

株式会社常磐植物化学研究所(tokiwa)では、社会貢献活動の一環として小学生や中学生、高校生を対象とした実験講座を開催しており、この講座を通じて科学が身近にあることを体感してもらい、次世代の科学技術系人材の育成を目指しております。

千葉県立佐倉高等学校は、平成25年度4月に文部科学省によるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校となり、独自のカリキュラムに基づいた授業や、大学・研究機関・企業との連携、地域の特色を活かした課題研究、学生の海外研修など様々な取り組みを積極的に行っております。その取り組みの一つとして、SSHの認定初年度よりtokiwaが開催する実験講座を受講していただいております。本年度も7月17日(金)に1・2年生23名を対象とした「植物の成分を精製しよう!」と題した実験講座を受講していただき、その後本社敷地内の工場施設やハーブ園を見学していただきました。

実験講座では、冒頭の講義で、無数の成分からなる植物から特定の成分を精製する原理や技術を学んだ後に、実際にカンゾウの根の抽出液から、甘味料や肝機能障害・アレルギーに対する有効成分であるグリチルリチン酸を薄層クロマトグラフィーにより分離し、紫外線照射下で検出していただきました。本格的な科学に触れる経験が浅い皆さんには今回の講義や実験だけでは、特定成分の精製原理や技術の理解は難しかったかもしれません。それでも真剣にメモを取りながら講義を聴き、緊張しながらも好奇心に駆られて実験に臨み、「分離に使用する溶媒は何か?」「紫外線で検出できるのは何故か?」といった具体的な質問をする初々しくも積極的な姿勢には、担当した社員の心を揺さぶるものがあり、指導にもついつい熱を込めすぎてしまったように思います。

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実験講座で学んだ精製の原理や技術は、工業や産業に広く活用されており、実験室レベルでは最大でも数L のスケールで行う化学反応が、工場レベルでは数百Lから数千L のスケールで行われています。実験講座の後には、工場見学を実施いたしました。フラスコやビーカーとは異なり、中の様子を簡単に覗き見ることはできない工場設備のではありますが、盛夏の蒸し暑い中、ご参加いただいた皆さんは懸命に説明に耳を傾け、「製品のラベルに書いてある『ヶ口』の意味は何か?」「この機械を動かすと中でどんなことが起こるのか?」といった質問を積極的かつ素直に投げかけてくれました。わからないことをそのままにせず、素直に質問して学ぼうとする姿勢は、学校での勉強のみならず、様々な場面で大いに役立つので、是非大切にしていってほしいと思います。

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工場見学と同時に行ったハーブ園の見学では、普段実体を目にする機会の少ない様々なハーブを目の当たりにするだけでなく、実際に手に取り、感触や香り、味なども体験していただきました。摘みたてのハーブやブルーベリーの味を実感し舌鼓を打つことで、勉強に集中していた脳を少しはリラックスしていただけたかと思います。また、見学前に出題したハーブに関するクイズの回答を挙手制にて求めた際には、積極的な姿勢を示してくれました。このような姿勢は、何事にも積極的に取り組もうとする若者が減少しつつある昨今において、非常に稀有なものかと思います。学校の先生のみならず、産学連携に携わる機会を得た我々大人たちは、そのような若者を一人でも多く育むべく、今後も本活動に積極的に取り組むべきなのだと思います。

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今回の実験講座や工場見学では、学校で学ぶ科学が弊社の製造技術にも役立っているということを十分に理解するまでには至らなかったかもしれません。それでも参加した学生の皆さんが、本講座の内容と他講座の内容とを結び付けて捉えている感想や、『工場設備のスケールに圧倒された』『見たこともない分析装置を見てワクワクした』といった感想をいただくことができ、本講習がある種の感動を与え、知的探究心を駆り立てる機会となったことを、非常に嬉しく思います。今後、科学の勉強に励むなかで、弊社の製造技術が学校で学ぶことから成り立っているということを知り、そして学校で学ぶことは決して無駄ではなく、実社会において役立っているのだということを理解していってほしいと思います。

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株式会社常磐植物化学研究所

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