〔リバネスセンシズ〕企業を巻き込みサステナブルな社会を目指すひと(後編)

〔リバネスセンシズ〕企業を巻き込みサステナブルな社会を目指すひと(後編)

リバネスセンシズでは、リバネスメンバーのインタビューを通して、そのパッションを紐解き、実現しようとする個々の未来像をお伝えします。

井上 麻衣(いのうえ まい)
博士(国際協力学)

専門分野:社会システム学

(聴き手:佐野 卓郎)

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佐野:リバネスに入社して、一番最初にやったことはなんですか?

井上:入社後の2017年6月にリバネスで初めて開催される、「キャリアディスカバリーフォーラム」に参画させていただきました。

佐野:キャリアディスカバリーフォーラムは研究者向けのキャリアイベントですね。参画してみてどうでしたか?

井上:初めての開催でしたから、まだまだ改善の余地があると思いました。それに「何か仕掛けられそうな場だな」と可能性も感じました。2018年に実施予定の第2回では、研修の要素なんかを入れてみようかとも考えています。

佐野:キャリアイベントとなると、井上さんの当初のビジョンと少しずれているような気がしますが。

井上: サステナブルな社会においては、広い視野をもつ人材が必要になります。そうした人を育むこと、その仕組みを考えていくことは、私のビジョンの根本に位置付けています。広い視野をもった人材とは、具体的にはどのような人なのか、そうした人を育むにはどうしたらよいのか、まだまだ時間をかけて考えないと分からないことも多いんですけどね。

佐野:今後、どのような取り組みをしていきたいですか?

井上:私はまだ入社して間もないですが、産業界に軸足を置いてみた現在、多くの企業の方とお会いする中で、そこにいる方々をどのように巻き込んでいけばよいか考え続けています。サステナブルという視点は今後企業にとって重要なものであると理解はして頂けると思いますが、具体化していくためにはもう一捻り必要なんです。

佐野:サステナブルな社会を実現するために必要なことって何ですか?

井上:企業が活動をし、私たち人間が様々に営むこの社会において、ゴミや廃棄物が無闇に増えていくのは良くないことでしょう。一方で、気候変動問題などに対して、排出される二酸化炭素量を削減する必要性が唱えられています。
こうした課題に対して企業や一般生活者に対策を強要すれば、負担となって継続が難しくなる。現状を否定し、改善策を打って変えるようなやり方ではなく、現状を理解したうえで、上手く付き合う方法を考えていくことにサステナブルにつながるヒントがあると考えています。

 

入社して間もない井上さんは、現在多くの企業に訪問している。まずは私自身が、企業の活動をひとつひとつ理解をしなければ、実装ができるサステナブルな仕組みは編み出せないと考えているからだ。また、「サステナビリティ」について考えるワークショップ形式の教育プログラムも開発中である。井上さんの研究は、まだ始まったばかりだ。