〔リバネスセンシズ〕科学技術の投資育成エコシステムを豊かにするひと(後編)
リバネスセンシズでは、リバネスメンバーのインタビューを通して、そのパッションを紐解き、実現しようとする個々の未来像をお伝えします。
篠澤 裕介(しのざわ ゆうすけ)
修士(農学)
専門分野:動物細胞制御学
(聴き手:佐野 卓郎)
→前編はこちら
佐野:入社してからはどんな仕事をしていましたか?
篠澤:入社してすぐは、地域の魅力を探るバスツアープロジェクトのほか、大学生のための海外研修などをやっていました。
佐野:篠澤さんは英語が堪能ですよね。
篠澤:9歳から10歳までアメリカに住んでいたことが良かったのだと思います。理系大学生をアメリカに連れて行って、日本とアメリカの働き方の違いを見るというコンセプトで研修ツアーをやりました。もちろん、シリコンバレーにも行きました。
シリコンバレーはアメリカでも特殊な場所です。やりたいことの実現にむけて自ら技術開発する研究者や技術者が、みんな生き生きとしていました。情熱をもって活動し、結果としての成果が出る。ビジネスもうまく回る。これって良いサイクルですよね。
6年間連続して、丸さんとアメリカ旅をしながら、変わりゆくシリコンバレーを定点観測しました。平屋にいたベンチャーが大きなビルに移っていく。聞いたこともない会社が、学生をたくさん雇い入れ、びっくりするくらい大企業になっていたりする。そういう変化を見て、自分も負けてはいられないと奮い立つんです。本当に良い経験でしたし、一方で、これは日本でもできるはずだと考えるようになりました。
佐野:今後はどのようなことを仕掛けていきたいですか?
篠澤:私は、バイオ、ヘルスケア、食といった分野に興味があります。それらのひとつでも担いで、世界に新しい価値を生み出したいと考えています。一方で、火星で培養肉工場をつくったり、難治性の病気を治すなどするためには、ベンチャー企業をつくって大学から飛び出すのが良いらしいということも知りました。
リバネスの周りには今、事業化したいという熱を帯びた天才が集結しつつあり、併せて、そこにお金をつける人たちも集まりつつあります。シリコンバレーみたいなダイナミックな流れに近づきつつあるんです。
前例のないことを仕掛けるというのは難しいし、規模をもって社会に実装するというのも難しいことではあります。でも、私はそれをできるようにしたいんです。世界中にある課題をどうにか解決したいと願う研究者を後押しするのが私のミッションですからね。