人と自然の共生を実現する「LVNS Forest Project」を開始ディープテックでディープイシューを解決する知識製造プラットフォームへ
株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役グループCEO:丸幸弘)は、アセットをもつ日本企業12社とともに、科学・技術の集合体であるディープテックを組み上げ、持続可能な形で森林と人が共生する社会をつくる「LVNS Forest Project(リバネス・フォレスト・プロジェクト)」を立ち上げました。
プロジェクトサイト:https://forest.lne.st/
<LVNS Forest Projectチーム 12社(五十音順)> |
株式会社ACSL/株式会社荏原製作所/KOBASHI HOLDINGS株式会社/サグリ株式会社/ 株式会社JEPLAN/株式会社パイオニア・コーポレーション/長谷虎紡績株式会社/ 東日本旅客鉄道株式会社/BIPROGY株式会社/株式会社フォーカスシステムズ/ 株式会社ユーグレナ/ロート製薬株式会社 |
リバネスでは、これまでに、課題解決に資するディープテックのエコシステムを醸成すべく、テックベンチャーの発掘・育成プログラム「TECH PLANTER」や異分野融合による新たな知の創出「超異分野学会」等の取り組みを推進し、多様な知識が集積する「知識プラットフォーム」を拡大してきました。今年度で20周年を迎えたリバネスは、いよいよエコシステムビルダーから、科学・技術の集合体「ディープテック」を組み上げ、実際に地球上の課題を解決するプレイヤーとして「知識製造プラットフォーム」を形成するフェーズへと移行してまいります。
その第1弾として、人類の活動により破壊が進行している森林の生物多様性を守り、人が共生した形で森林資源を有効に活用しながら、持続可能な営みをつくる「LVNS Forest Project(リバネス・フォレスト・プロジェクト)」を開始いたしました。
産業革命以降、人類が森林を伐採し放置し続けてきた結果、世界の森林面積は減少の一途をたどり、5年間での減少量は500万ha以上で推移しているといわれています。今後、人類が森林を一方的に利用するのではなく、森を育み、そこに生まれる生態系や果樹・木材などの資源を有効活用しながら社会生活を営むことが求められます。
これを実現するためには、リバネスが主体となり、アセットを持つ日本の大企業・中小企業と、地球上の根深い課題「ディープイシュー」をリアルに捉えている現地の仲間を集め、異分野のチームによる知識製造を加速する必要があります。そこで、このたび、志の高い12社の日本企業と、荒廃した森林の課題解決に取り組むフィリピン発のスタートアップ GALANSIYANG Inc.と連携して、新たな植林体系を構築するためのディープテックの開発や、森林から有価物を生み出すための研究開発、森林と共生する意識醸成のための教育活動等を行い、人と森林の新しいあり方を開発してまいります。
<LVNS Forest Projectにおける6つの研究開発テーマ>
GALANSIYANGは、植物の種子を打ち込んだシードボール(球体の土)をドローンによって植林する技術および、炭素排出量などの環境パラメータを把握する森林・炭素モニタリングプラットフォームの開発に取り組んでいます。2023年3月11日より、フィリピンの荒廃した森林を実証フィールドとして、リバネス、GALANSIYANG、日本企業、そして大学研究者の知識・アセットを組み合わせ、シードボールやドローンの開発、土壌改良法や発芽法の検証等を開始します。
今後、リバネスでは、このしくみをフィリピンのみならず、マレーシアやインドネシアなどの森林にまつわる課題を抱える各地域に展開するとともに、フォレスト・プロジェクトを皮切りとして海洋や災害対策、食料生産等へと領域を拡大し、地球貢献を実現するための7つのプロジェクトを発足させ、知識製造プラットフォームの基盤を強化していくことを目指します。
<LVNS Forest Projectチームのコメント紹介(五十音順)>
株式会社ACSL( https://www.acsl.co.jp/ ) |
ACSLは産業分野における既存業務の省人化・無人化を実現すべく、国産の産業用ドローンを開発しています。特に、自律飛行と高い性能・安全性・信頼性を実現する独自の制御技術を強みとし、本プロジェクトを通じて「ドローンを活用した自律的な植林システム」という新たな活用方法を探究していきます。人の手だけでは難しい広大な土地や荒地に迅速かつ効果的に木を植え、森をメンテナンスすることで、人と科学技術が調和した持続可能な社会の実現を目指します。 |
株式会社荏原製作所( https://www.ebara.co.jp/ ) |
荏原は1912年にポンプメーカとして創業以来、「ものづくり」を通じて、人、社会、環境の未来を考え取り組んできました。持続可能な社会作りに向けたCO2の排出抑制や水インフラの整備と効率化、水素エネルギーの利活用技術の開発、水源地保全等に積極的に取り組んでおり、昨年には、2050年カーボンニュートラルの達成を宣言しました。社会インフラを支える企業として、東南アジアの発展を支え、現地の方々とともに環境と調和したインフラ整備の貢献を果たすべく、本PJ参画を通じて、弊社の創業の精神である「熱と誠」を体現し、新たな事業を創る本プロジェクトで森林再生、水不足の問題を解決していくことを加速して参ります。 |
KOBASHI HOLDINGS株式会社( https://www.kobashiholdings.com/ ) |
KOBASHI HOLDINGSは、「地球を耕す」という理念のもと、より豊かな人々の生活および地球を次世代に残すべく、地球規模の課題解決に取り組んでいます。減少を続ける森林を再生するべく、本プロジェクトでは、 100 年以上にわたって農業・モノづくり分野で培ってきた技術を活用して、シードボール播種用ドローンの設計から試作、量産にいたるまでの開発・製造を支援していきます。人類にとってかけがえのない森林を豊かにし、森林と人類が共存できるサステナブルな社会システムの構築に貢献していきます。 |
サグリ株式会社( https://sagri.tokyo/ ) |
サグリは、「人類と地球の共存を実現する」をビジョンに掲げ、衛星データとAI技術・区画技術を掛け合わせたデータプラットフォームを通じて、世界の農業と環境分野における課題解決に取り組んでいます。インド等においては、カーボンファーミングにも取組んでおり、クレジット化に向けて取り組みを加速させております。本プロジェクトでは、これまでにサグリが培った技術・ノウハウを活かして、地球と人にやさしい森林農業の確立に貢献し、そこで暮らす人々の持続可能な営みを実現してまいります。 |
株式会社JEPLAN( https://www.jeplan.co.jp/ ) |
JEPLANは2007年の創業以来、独自のケミカルリサイクル技術を活用して衣類やペットボトルの循環に取り組み、実現させています。ただ、循環することにより、排出されるCO2を大幅に削減することはできますがゼロにすること、つまりカーボンニュートラルは達成できません。本プロジェクトとJEPLANの循環が融合することによってCO2が出ないカーボンニュートラルTシャツ、カーボンニュートラルペットボトルを製造できる可能性がありとても楽しみであるとともに、融合の可能性を社会に示す事ができると思っています。 |
株式会社パイオニア・コーポレーション( http://www.pioneer-corporation.co.jp/ ) |
地球資源は有限であり、日本の「もったいない」精神による循環型経済システムを再興すべきであると考え、木の循環利用に着目した木材製品の利用促進に取り組んでいます。各地域で備蓄した老木の杉材を用いて計画的な製品づくりを促し、ものづくりの面から開発をサポートすることで、木材の地産地消と林業の再生を目指しています。本プロジェクトを通じて、日本のみならず森林再生や木材利用に課題を抱える世界各地にこの取り組みを広げ、日本から地球全体の循環モデルを構築していきたいと考えています。 |
長谷虎紡績株式会社( https://hasetora.co.jp/ ) |
私たちは「素材で世界を変える!」という大きな夢を掲げ、1887年の創業以来、一貫して繊維に携わった事業を展開しております。これまで136年にわたり様々な繊維素材を開発、製造してきた経験を活かし、本プロジェクトでは生分解性繊維素材を利用した、シードボールの開発を支援します。このプロジェクトは、世界中の森林を豊かにするだけでなく、農業にも応用できるものであり、明るい豊かな未来を築けるものだと信じています。 |
東日本旅客鉄道株式会社( https://www.jreast.co.jp/ ) |
JR東日本はESG経営の実践において、「エネルギービジョン2027」を策定し、サステナブルな社会の実現に取り組んでいます。品川開発プロジェクトにおいては、「Global Gateway」をコンセプトに掲げ、街全体を100年先の心豊かなくらしのための実験場と位置づけ、新たなビジネス・文化が生まれ続ける国際交流拠点を目指しています。本プロジェクトには、「CO2を吸収するまちづくり」を目指し参画いたしました。このような取り組みを通じて、未来の地球をより良くするまちづくりに取り組んでまいります。 |
BIPROGY株式会社( https://www.biprogy.com/ ) |
当社グループでは持続可能な社会の構築を目指し、国産木材の利活用を促進する取り組みや、森林が持つ生産力や環境保全機能の可視化の取り組み等をスタートしています。これまで培ってきたデジタルを活用する力と、志を同じくする皆さんが持つ強みやテクノロジーを掛け合わせ、このプロジェクトが目指す地球規模の課題解決に向かって取り組めることにワクワクしています。 |
株式会社フォーカスシステムズ( https://www.focus-s.com/focus-s/ ) |
環境保全・森林再生のために、植林活動が世界各地で行われています。一度失われた森林を再生させるために管理することは多く、土壌改質や定植後の適切な管理が必要不可欠です。単に木を植えれば良いというわけではないところに再生の難しさがあります。フォーカスシステムズは強みとするITの知見を活かし、現在環境への取組みについて共同研究等を行う森林や植物研究のアカデミアの方々と連携しながら、森林の再生だけでなく、人と環境が調和した持続的な社会システムの実現に貢献したいと考えています。 |
株式会社ユーグレナ( https://www.euglena.jp/ ) |
「人と地球を健康にする」をパーパスに掲げる当社は、気候や地理などフィリピンとの共通点が多い石垣島で、2005年に世界初の微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養に成功しました。近年では、バイオ燃料でのドローン飛行実証や船・車への導入をはじめ、様々なヘルスケアプロジェクト等に取り組んでいます。さらに、フィリピンの隣国マレーシアでは、気候変動の解決を目指しバイオ燃料の商業化というビッグチャレンジも進めています。私たちにとっても地球の森林破壊は解決すべき課題であり、本プロジェクトでは当社の経験を最大限活かしてまいります。そして、将来、日本とフィリピン、ASEAN一体となってイノベーションを社会実装し、ともに課題を解決していきましょう。 |
ロート製薬株式会社( https://www.rohto.co.jp/ ) |
「ウェルビーイングな社会実現を目指したい」という思いで、既存事業に加え、循環型農業や食事業などの課題解決型事業に取り組んでいます。いまや世界中でモノの価値だけが必ずしも人々の幸せや豊かさにはつながらず、自然環境や地域社会の「ウェルビーイング」も考えた新しい経済の循環を生みだす必要があります。ロート製薬ではそんな未来に向かう宣言として、総合経営ビジョン「Connect for Well-being」を掲げ、常識の枠を超えて難易度の高い課題に挑み続ける精神を育んできました。本プロジェクトでは、森も人も「ウェルビーイング」に暮らせる社会という壮大な未来を実現し、日本と東南アジアから世界を変える挑戦をしていきます。 |
※GALANSIYANG Inc.について
森林再生や環境保護のためのプログラム開発、林業経営支援活動を手がけるフィリピン発のベンチャー企業。森林破壊の進行や温室効果ガス削減の環境政策などが強化される中、従来の手作業による植林では対応が困難であることから、ドローンや栽培技術等を組み合わせて実現を目指す。2022年にリバネス主催の「TECH PLANTER in the Philippines」にて最優秀賞受賞。TECH PLANTER Asia Final 2022ではLeave a Nest、三菱電機賞、BIPROGY賞を受賞。
ウェブサイト:http://www.galansiyang.com/
<本件に関する問合せ先>
株式会社リバネス 松原・石尾
TEL:03-5227-4198 E-mail:[email protected]