【読み物】〝乳酸菌スクール〟を 社員と子どもたちが学び合う場所に(vol.14)

【読み物】〝乳酸菌スクール〟を 社員と子どもたちが学び合う場所に(vol.14)

カルピス株式会社

〝乳酸菌スクール〟を社員と子どもたちが学び合う場所に

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2009 年よりカルピス株式会社は社会貢献活動の一環として、各事業所の近隣にある小学校に出前授業を行う、乳酸菌スクールを開始し
ました。本教室は、「カルピス」の原料となる生乳と牛乳の違いや、乳酸菌の働きを、体験や実験を通じて学び、身近な食の中にかくれた
生き物の働きに気づく構成になっています。本教室を推進する広報・CSR 部の大石芳弘さんにお話を伺いました。

これまでの社会貢献活動では、幼稚園や保育所を対象に、ひなまつりに「カルピス」をプレゼントしたり、絵本の読み聞かせイベントを行うといった活動を実施してきました。小学生に対しても何かできないかという話になったとき、学ぶ空間である学校の中では、ただ「カルピス」を飲んで楽しむのではなく、何か生活に役立つ学びがあるものを提供したいと考えました。そこで生まれたのが乳酸菌スクールの企画です。

乳酸菌スクールの特徴は、「カルピス」を教材にすることで身近な食べ物にある科学を知る、ということです。乳酸菌飲料と聞くと、お腹の調子を整える、便秘に効くといったイメージが強いかもしれません。しかし、乳酸菌の働きは深みのある〝味〟を生み出し、原料である牛乳の中には存在しない栄養分を作り出すという側面もあります。小学生でも生活の中で見聞きする程度には有名な乳酸菌ですが、その生態や働きをきちんと知っている人は大人でもほとんどいないでしょう。しかも、種類の違う乳酸菌はそれぞれ作り出す味が異なります。弊社の研究所では、その特徴を詳しく調べ、組み合わせを考え飲み物のおいしさを追求していくことも非常に重要な研究の1つとなっています。乳酸菌スクールを通じて、このような乳酸菌の奥深さを知り、食べ物のおいしさの中にかくれた生き物の力を感じてもらいたいと思っています。それが食への興味や感謝につながればとても嬉しいです。

乳酸菌スクールのもう1つの特徴は、各拠点の社員4〜5 名が学校へ出向き、講師役と班ごとのサポート講師として子どもたちとコミュニケーションを取るという点です。研究所以外の部門では、乳酸菌の働きや、最新の研究成果を得る機会は、なかなか得ることができません。本教室で研究所のスタッフ
や営業、事務部門のスタッフが関わり、コミュニケーションを取ることで、社内での情報交流も活発になればと思っています。大人から子どもへ与えられるものではなく、大人も子どもも学べる場所が乳酸菌スクールであってほしいと思っています。今後、中学生、高校生に向けても何かできることがあれば挑戦していきたいですね。