DNA チップを用いた食品成分の機能性評価法

DNA チップを用いた食品成分の機能性評価法

少子高齢化が急速に進む日本において、国民の健康寿命の延伸や QOL の向上は重要な課題となっています。その中で生活の根本となる「食」がもつ健康機能・生体調節機能が見直され、食品成分の摂取による遺伝子発現レベルでの影響について解析が進められています。しかしながら、食品成分の健康機能性には様々な遺伝子が関与しており、それを網羅的かつ簡便に評価できる方法の開発が急務となっています。この課題を解決するため、九州大学大学院農学研究院 立花宏文教授と三菱レイヨン株式会社は、食品の機能性や健康状態に関連する遺伝子発現の解析に特化した DNA チップジェノパールR を開発しました。

発明の概要

食品成分の健康機能性を迅速かつ高精度に評価できるDNA チップを開発した。

発明の効果

・   ポリフェノールである緑茶カテキンの受容体(67LR)や脂肪酸の受容体(GPR43)など様々な食品成分に関連する受容体を中心にした約100個の遺伝子発現量の網羅的な測定が可能になった。

・   受容体発現量を測定することで、食品・医薬品に対する感受性の検討が可能になった。さらに食品成分の摂取前後での遺伝子発現変化を測定することで、感受性の変化ならびに、他の成分の摂取に与える影響(食べ合わせ)の評価が可能になった。

・   受容体以外の搭載遺伝子として、自然免疫に関連する遺伝子 Toll-like receptors や長寿遺伝子といわれる Sirt1 などがある。その遺伝子発現量を食品成分摂取前後で比較することで、食品成分の機能性を評価することが可能になった。

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