〔リバネスセンシズ〕植物の可能性を社会に活かすひと(前編)

〔リバネスセンシズ〕植物の可能性を社会に活かすひと(前編)

リバネスセンシズでは、リバネスメンバーのインタビューを通して、そのパッションを紐解き、実現しようとする個々の未来像をお伝えします。

川名 祥史(かわな よしふみ)
博士(環境学)

専門分野:植物細胞工学

(聴き手:佐野 卓郎)

ふんわりとした人柄で、どんなコミュニティにも入り込める川名祥史(かわな よしふみ)さんの経歴は、リバネスの中でも特別だ。飲食店の経営、農業、植物工場の立ち上げ、そして地域における科学技術をもとにした産業創出の支援など、多様で内容の濃い経験をしてきた。今回は、川名さんがなぜこのような経歴を辿ってきたのかについて、話を聞いてみた。

佐野:リバネスにはだいぶ初期の頃から関わっていましたよね。

川名:そうですね、インターンとしてリバネスにきたのが、2006年12月頃でした。

佐野:きっかけは何だったんですか?

川名:私はもともと横浜国立大学にいまして、べンチャービジネスラボラトリ(VBL)の博士研究員をしていたんです。

佐野:VBLにいたということは、やはり起業とかベンチャーに興味があったんですか?

川名:いや、当時私はマングローブの研究をしていたんですが、研究費が欲しくて。起業に結び付けるような研究アイディアを考えられれば、そこにお金がつくよと言われて、エントリーして面談したんです。そんな下心があったので、本格的に起業なんて考えたことなかったんです。

佐野:何か他にやりたいこととかはあったんですか?

川名:研究は好きでしたね。植物がもつ潜在能力には本当に心惹かれてました。

佐野:「植物の潜在能力」ですか。

川名:そうです。たとえば動物を扱った研究であれば、医療などヒトの健康に関わることも合わせて研究できると思いますが、地球レベルでの変化に可能性を秘めているのは、やはり植物だと思うんですよね。

佐野:なるほど。

川名:あと、そんな植物の魅力をもっとたくさんの人に知ってほしいという思いもありましたね。だからその頃は、博士課程修了後の進路について、何となく学校の先生になりたいなとも思っていました。教育には興味があって、科学館のボランティアやサイエンスカフェの実施なんかもしながら、サイエンスを伝える活動にも少しだけ関わっていました。

佐野:「サイエンスを伝える」となると、やはりリバネスが連想されますが。

川名:リバネスはWebで見て何となく知っていました。興味はあったけど、特にアプローチはしていませんでした。ある時、キャリアディスカバリーセミナーというイベントがあったので、参加してみたのが始まりです。
その後、VBLで博士のためのキャリアイベントをやることになったので、リバネスを招へいしました。
もともと教育には興味がありましたから、サイエンスをわかりやすく伝えることを仕事にするリバネスに参加しようと思ったのはこの時ですね。まずは、中高生向けの実験教室や川崎市でのサイエンスカフェなどに関わらせてもらいました。

 

川名さんは、インターンを経てリバネスに入社する。しかし、その後すぐに、新たな道に足を踏み入れる。いったい何を思ったのか。インタビューの続きは後編にて。