「もっと褒めてくれ!ふるふる」ほめられると上達するを発見 定藤規弘
もっと褒めてくれ!と言えばスラムダンクの有名なシーンですが。
小学校のころ、漢字の勉強をするために、書き取り練習しましたよね。
難しい字を覚えるために、ノートを同じ漢字で埋めていく。
「こんなに書いたんだ!よくやったね!」と先生にほめられて、うれしい気持ちになりませんでしたか?
このうれしさがあなたの成績を上げてくれたかもしれません。
自然科学研究機構生理学研究所の定藤規弘教授は、脳の活動と人の行動や記憶との関連を調べています。
そして2012年11月8日、「ほめられる」という社会的報酬が人に与える効果について、新しい発見を発表しました。
定藤さんたちは、まず、右利きの成人48人に、左手で早く正確にキーボードを打ってもらうというトレーニングを行い、トレーニングの後、「自分がほめられる」「他人がほめられる」「特になし」の3つのグループに分けました。
そして、翌日、同じ作業を行う抜き打ちテストをすると、「自分がほめられた」グループで、トレーニングの時より約20%も成績が上がりました。
一方、他のグループの成績上昇が約14%に留まりました。
このことから、ほめられるという社会的報酬が、運動技能の習得にプラスにはたらくことが初めて証明されたのです。
今回の発見は 「ほめる」ことがリハビリテーションや学習の効果を高める可能性を示しています。
「ほめられる」ことで脳の活性がどのように変化し、運動機能に結びつくかは今後明らかになるでしょう。
先生にほめられたから「もう大丈夫」と書き取りをサボっていたら、テストでは違う漢字ばかりが出題された…。
そんなことにならないよう、ほめられても油断せず、さらに上を目指してトレーニングを重ねましょうね。