2012年12月9日の教員研修☆無細胞系タンパク質合成実験

2012年12月9日の教員研修☆無細胞系タンパク質合成実験

以前、でも紹介した12月9日の教員研修での結果を 紹介します。

内容は、無細胞系タンパク質合成実験
細胞内で行っているDNAからタンパク質合成の反応を細胞外で材料のみ混ぜるだけで行うことができます。
この材料は、大腸菌から精製して取り出しているそうです。

実験操作はいたって簡単で、3種類の試薬を混ぜて作成したいタンパク質のDNAを混ぜるだけ。
今回の教員研修では ご協力いただいた株式会社ジーンフロンティアさんよりGFPのDNAを提供していただき、
GFPの合成をおこないました。

ウォーターバスにて37度で培養をして30分後から観察を始めると、次第に蛍光が見えるようになりました。
無細胞GFPインキュベーター
2時間で反応はほぼ終了するので、観察すると、このようにきれいなGFPの蛍光を見ることができました。
無細胞GFP
左:GFPのDNAを入れた場合、右:GFPのDNAを入れなかった場合

ただ、GFPの合成をキット化しようとおもうと、学校で観察するときにライトやフィルターなどが必要であったり、GFPのDNAの特許の問題などがあり、βガラクトシダーゼとxgalの酵素反応で青色に呈色するものをキット化しようかと考えていました。
そこで、先日の教員研修で結果のみですが、βガラクトシダーゼの反応系について紹介しました。
無細胞ガラク
左:βガラクトシダーゼのDNA入り、右:βガラクトシダーゼのDNAなし
(右が少し黄色なのは、もともと黄色のxgalの溶液を加えているからです。)

これも2時間でしっかり反応が進んでいることがわかりました。
キット化にあたっては、濃度や反応時間などもう少し検討します。

さいごに、混合する試薬の中身は以下のようになっています。
試薬1:バッファーミックス、アミノ酸、ATP、tRNA、GTPなど(タンパク質は含まず)
試薬2:酵素ミックス、36種類のタンパク質
試薬3:リボソーム

いろいろなタンパク質が作れるとのことで、実験の幅が広がるな、と楽しみです。