社会の窓、ICT 化
こんにちは。GARAGEの精、ガレ子です。世の中では、毎日爆発的な量の情報やデータが生まれていますよね。交通系ICカードから得られる移動情報、各種センサーから得られる天候や電力使用量。最近はfacebookなどのソーシャルメディアで個人がデータを生成するようになり、その情報量はなんと1日あたり10テラバイトを超えるらしい。こうしたビックデータを収集・分析し、社会で役立てるかたちに活用する取り組みが盛んに行われています。でも、世の中にはもっと活用されてもいい情報がきっとあるはず!今回は、日常生活の中にある物理的にオープンソー シャルな瞬間、ズボンのチャックが空いてしまう現象「社会の窓」に注目してみました。先日、日本科学未来館で開催されたMakerFaireTokyo2013で見つけたのが、世界の“社会の窓”を守る「AegisFastenerSystem」。彼らが試作品としてつくったのは、3種類のチャック開閉感知装置です。
リール方式
ズボンに回転量を取得するリールを取り付け、リールのひもをチャックの金具部分に引っ掛け、ひもとチャックが連動することにより開閉を感知するしくみになっている。リールは市販のリールキーホルダーに白黒模様のシールと光センサを取り付け、回転量を取得できるように改造されている。
光量方式
チャックの後ろに8つの光センサを並べ、チャックの開き具合で光センサの値が変化するので、その値を読み取り開閉を検知するしくみになっている。
磁力方式
磁力によってスイッチをオンオフするリードスイッチを採用。ファスナー金具部分の裏側に磁石を、ズボンの内側にリードスイッチを50個使用した回路を装着し、LEDの点灯位置からファスナーの開閉度合を測り、チャックの開き具合に対応して緑、黄、赤と信号機のように色が変化する。
もしも、世界中の男子がこの装置を装着したズボンを履くようになり、位置情報とチャックの開き具合がリアルタイムでわかるとしたら、日常生活はどう変わるでしょうか。世界中のトイレ利用率や混雑具合がわかり、トイレ渋滞が緩和されるかもしれない。警察がパトロール用に利用すれば、性犯罪防止につながる可能性も出てくる。また、チャックの開閉状態が40%を超えた場合、自分の携帯に通知が来るよう設定し、街中ですれ違う他人や直接指摘しづらい上司に通知を送ることで、全開状態の時間を短縮することができる。しかも、相手に通知を送る度にユニセフ等に募金できるシステムを組み込めば、全人類がハッピーになるでしょう。社会の窓が、社会貢献の窓になる日も近い。 ちなみに現代で社会の窓全開状態を指摘する一番いい方法は、「自分も開ける」ことだそうです。自分の社会の窓を開け、上司に「あ、おまえ~」と言われた瞬間にすかさず「あれ、上司も~」と突っ込めばよし。心の距離がぐっと縮まる、これぞ自己犠牲のコミュニケーション。 それはさておき、社会にとって有意義な価値を産み出すウェアラブルデバイスの導入で、スマートでラブ&ピースなライフが手に入る未来がやってくるかもしれませんね。