「科学とは何か」って授業を日本の大学は導入すべき

「科学とは何か」って授業を日本の大学は導入すべき

アメリカでは大学入ると必ずと言っていいほど、「科学とは何か」もしくは「科学的方法とは何か」について授業をうける機会があります。
これ日本の大学でもガンガン導入するといいと思われ。
別に科学者にならないとしても、教養として身に着けるべき考え方だなーと。

大学入学後、初めての科学の授業で習うもの

僕は大学院留学だったので授業そのものを生徒として受けたことありませんが、生物だけでなく物理や化学の授業でも「科学とは何か」というトピックで授業の最初の1~2コマが幕をあけるはずです。
僕はTAとして大学生に教える側だったのですが、最初は授業つくるのが超大変で教える側にとっては結構な負担。
この現象はこういうメカニズムだぜ、みたいなかちっとした説明じゃなく、かなりコンセプチュアルなことを話さないといけないのです。

所謂科学専攻以外の人が受ける授業でも。これは徹底されています。
「科学について学ぶんだから、そもそも科学がなんであるかは知っとけよ」、というわかりやすいロジックが徹底されているということでしょうか。
当然教科書にも必ず「科学とは何か」について説明をしているセクションがあります。
紀伊国屋にでも言って、パラパラ分厚い英語の教科書の目次を見てみれば見つかるはず。

科学とは何かをどうやって説明しているのか

実例からイメージをわかせてもらいましょうか。
まずは、WEBで見つけたジョージア大の例を。

地学の先生が授業の一部を自身のホームページにupしているようです。

Science is the concerted human effort to understand, or to understand better, the history of the natural world and how the natural world works, with observable physical evidence as the basis of that understanding1. It is done through observation of natural phenomena, and/or through experimentation that tries to simulate natural processes under controlled conditions.

例えばこんなことも書いてあります。(科学研究をやったことある人には当たり前ですが)

It means that science does not presently, and probably never can, give statements of absolute eternal truth.
科学は現在、そして多分これからも、100%の真実を生み出すことはない。

反証可能でない仮説は科学じゃないぜってやつです。
→何言ってるかわからない方はこちら

はたまたUCバークレーのWEBページよりこちら↓
https://undsci.berkeley.edu/
これ、僕自分が教えるときに参照した気がする。

結構みなさん、おもいおもいに記述していますが、エッセンスはただ一つ。
「科学とは何か」について語らないことには、そもそも科学の授業とか展開できなくね?ということ。

日本の大学は教養課程で「科学とは何か」を教えるべき

で、みなさん自分の大学時代を振り返ってみてそんな授業ありましたかね?
殆どの方がないと思うんですよね(あったとしても、そんなに割合高くないって思ってる)。
極論すると、科学とは何かがわかっていなければいい研究もできないでしょうし、他国の研究者と話もできないでしょう。

当然研究者は研究室の中で、徹底的にボスや先輩から叩き込まれる。
けれども、研究室がイケてないとどこにも学ぶ場所がないというのは問題だと思ってます。
学生全般が体系的に「科学とは何か」について学ぶ場所が必要だというのは、言わずもがなでしょう。

文系の方はどうですかね?
ぶっちゃけ、「科学とは何か」について、」学校で学ぶ機会ないんじゃないでしょうか?
でも、巷にはサイエンス関連の情報はあふれかえっているので自分の価値判断基準をつくるために、学んでおくべき教養だと思うのです。

文科省は「科学技術関係人材の育成・確保」として、こんなこと言ってます↓

天然資源に乏しく、また今後も人口減少が見込まれる我が国において、科学技術イノベーション政策を強力に推進していくためには、これを担う優れた人材を絶え間なく育成、確保していくことが不可欠であり、このような人材に係る取組は、国として特に重点的かつ横断的に取り組むべきものです。
このため文部科学省では、初等中等教育段階から、大学学部、大学院、社会人に至るまで、連続性を持った取組を総合的に推進しています。

中にはグローバルアントレプレナーとか、若手研究者支援とか、リサーチアドミニストレーターとか色々施策があるのですが、大学一般教養として「科学とは何か」という授業を全大学にぶち込むことが優れた人材育成の一歩目じゃないの?って思うわけです。

というわけで、「科学とは何か」って授業を日本の大学は導入すべき!