3Dプリンタを深堀り

3Dプリンタを深堀り

誰でも使えるよう身近なコンテンツになってきた3Dプリンタ。
メーカーや機種による違いはどのようなものがあるのでしょうか。
仕組みと種類について簡単に紹介いたします。学校で導入の際のご参考にしてください。

3Dプリンタの仕組み

 コンピュータで作ったデータを実際に印刷できる装置である3Dプリンタ。その原理は案外シンプルです。普通のインクジェットプリンタで紙に印刷する時、平面の画像データを一番上から細く千切りにして、上の行から順番にインクを紙にのせていきます(下図)。それと同様に3D画像については、立体をスライスした輪切のデータ(2Dのスライスデータ)を、下から1段ずつ重ねて立体を作っていきます。材料(樹脂や金属や石膏など)や造形方法(熱、紫外線、レーザーなど)は様々な種類がありますが、仕組みはどの3Dプリンタでも同じです。

 最近家庭や学校で利用され始めた3DプリンタはFDM(熱溶解積層方式)といって、プラスチック樹脂を溶かして、少しずつソフトクリームのように積み重ねて造形していくものです。この方法で、最近は固いプラスチックだけでなく、ゴムなどの柔らかい素材や、食べられる素材など様々な材料を扱うプリンタが増えてきています。

 テレビなどで紹介されるフルカラーのモデルや透明な製品を作れる機種は上位機種で、数百万円〜数億円するものもあります。これらのプリンタは試作品だけでなく最終製品としてプラスチック、セラミック、金属など様々な材料を造形することができます。こちらは学校に置くのはハードルが高いですが、最近は有料の出力サービスも充実してきているので、用途に応じて利用するとものづくりの幅が広がります。

3dprinter

主な5種類の造形方法

個人用3Dプリンタの火付け役!1.熱溶解積層方式

mk5_1 ソフトクリームのように、ヘッドから溶けて線状になったプラスチックの樹脂を少しずつ押し出しながら立体を造形していく。FDM(Fused Deposition Modeling)法とも呼ばれている。2009年に特許が切れたことにより、価格は大幅に下がり、個人にも手が届くようになった。サイズは卓上で小型なものが多い。素材はABS樹脂やPLA(ポリ乳酸)樹脂などのプラスチックが選択できる。だが、一度に使えるのは2色程度が限界だ。個人で作ったデジタル作品を立体造形にするホビー用として広く利用されはじめており、手軽に作りたいときに適している。

日本発のロングセラー!2.光造形方式

mk5_2 日本人も開発に関わり、古くから利用されている造形方式。紫外線レーザーを当てると硬化する樹脂を用いて、1平面ずつ樹脂を硬化させる。素材としてアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂を使っているため、透明感のある構造物を作ることも可能だ。

フルカラー3Dプリンティングはこちら!3.インクジェット粉末積層方式

mk5_3 民間で結婚記念のお祝い品のフルカラー3Dプリンティングのサービスが開始されたと、テレビ等で一般にも話題になった方式である。インクジェットの方式で1平面ずつパウダー状のインクと接着剤を出して固めながら立体を造形していく。材質は石膏やデンプン、プラスチックである。強度は弱く、細かい造形物は作ることができない。フルカラー出力ができるため使用用途は広く、製品の試作品はもちろんのこと、ホビーやアート作品にも使われている。

滑らかな美しい仕上げ4.インクジェット方式

写真提供:株式会社ファソテック

写真提供:株式会社ファソテック

 インクジェットヘッドを使って、紫外線で固まる樹脂を微細粒子にして噴射する方法だ。噴射した樹脂を紫外線で固めながら積層していく。表面の仕上がりが滑らかなものができるため、今後使い勝手がよくなれば、主流になっていく可能性が高い。アクリルやゴムの様な材質、シリコン材質も扱い、生体適応素材も作ることができる。弱点としては、紫外線硬化樹脂を使っているため、直射日光等には弱いことが挙げられる。

頑丈な最終製品も可能に!5.粉末焼結方式

mk5_6 粉末状の材料に高出力レーザー光線をあてて、焼結させる方法である。溶かして固めるため耐久性のあるものを作ることができる。素材としてはナイロン、ゴム、セラミック、ポリプロピレン、金属(銅、ステンレス、金、銀、鉄、チタンなど)を扱うことができる。そのため最終製品や、鋳型を作る際に利用される場合が多くなると見込まれる。焼結をするため、表面はあまり滑らかにすることができないことと、価格が高いことが難点であるが、2012年に特許が切れたこともあり、これから手に入れやすい価格になっていくことが予想される。

特集:「ものづくり」で 教育はどう変わるのか

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