宇宙利用の進展を示す3つの事実-宇宙で何かしたいなら、今すぐ実行しはじめたほうがいい-
宇宙の時代がやってくる、と言った人はみんなホラ吹きだったのだろうか。ぼくらの生まれてくるずっとまえにアポロ11号は月に行った。ガンダムの初放映は1979年。ずいぶん昔から宇宙は手に届きそうで、届いていなかった。しかし、ここ数か月、民間による宇宙利用に向けた一定の成果が相次いて発表されている。そろそろ本気で動き始めてもいいタイミングなのではないだろうか。
新「宇宙基本計画」が発表になり、政府の長期目標が明らかに
日本の新しい宇宙基本計画が今年の1月9日に政府によって決定された。計画の中では、10年で最大45基の衛星を投入する運用計画が示された。これまでは国の研究開発の動きは「年度ごとの予算」で決まっていたために、官需の予想が立てにくかったが解消に向けて動き出した。また、防衛や安全保障との連携について明記されたこともこれまでとの違いだ。
民間企業による月面レースが佳境
民間企業による宇宙開発が進んでいる。今年1月26日、Googleによる賞金総額3000万ドルの国際宇宙開発レース「Google Lunar X Prize」に日本の民間企業主導で唯一参加しているHAKUTOチームが中間賞を授賞し、賞金50万ドルを獲得した。さらに2月に発表した打ち上げ計画では、2016年後半にSpaceX社のFalcon9での打ち上げ、さらに同じレースに参加しているAstrobotics社の月面着陸船Griffinを使う計画であると発表になった。どこまでも民間企業の名前ばかりが登場する計画だ。こんな充実した民間企業の布陣があること自体、今までなかったことだ。
あのベンチャー企業が、経済産業省「民生品を活用した宇宙機器の軌道上実証」に採択
ロケットや人工衛星の低コスト化、短納期化等を目指し、日本の民生部品・民生技術をベースにした機器などの開発に対する約2億円規模の委託事業について、JAXAとインターステラテクノロジーズ社が採択を受けた。これはロケット関連技術について「桁違いの低コスト化につながる研究開発」を目指すもの。インターステラテクノロジーズ社は、宇宙開発に並々ならぬ関心を寄せる堀江貴文氏が支援している会社である。